最初の出だしですぐわかる。
ただ、
失礼ながら最初の数ページを読んだ段階で
この人は"こういった文章も書けるんだぞ"というアピールをしたい人なのかと
斜に構えて読み始めていた。
しかし次第に現れる
主人公が持つあらゆるものに対する焦燥や
先輩に対する異常なまでの依存と冷静な視点の同居。
夢見る若者の安易な成功ストーリーではないことを予期させる流れに
どこかリアルで、コメディチックな風情を感じ
一気に読み進めてしまった。
この主人公はもう一人の又吉さんなんだろうなと思いながら
彼の行く道にどこか自分を重ねたくなる。
そんな物語。
機会があればぜひ読んでみてほしい。
おしまい
和輪羽
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