先日、糸魚川市と長野市の議会を訪ね、ハラスメント防止や政治倫理に関する取組を調査しました。全国的にも、議員間や議員と職員との間で起こるハラスメントへの意識が高まっており、議会としての信頼を保つうえで避けて通れない課題となっています。
「誰もが安心して発言できる議会」を実現することは、最終的には「誰もが声をあげやすいまち」につながります。そのため、他自治体の先進的な取組を確認することが重要と考え、視察を行ったものです。
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糸魚川市議会の取組
糸魚川市では、議員と職員の双方を対象にアンケート調査を実施し、現場の実態を踏まえて「ハラスメント防止条例」を制定したとのことです。
この条例では「しない・させない・見逃さない」という三つの基本原則を掲げ、理念条例として全会一致で可決されたと報告されました。
また、調査や処分の仕組みは政治倫理規則に整理され、行動指針の策定や定期的なアンケート実施など、継続的な取組が行われているとのことです。
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長野市議会の取組
長野市では、議員による威圧的な発言をきっかけに要綱が整備され、その後、議員で構成する「ハラスメント調査委員会」が実際に設置されたとの説明がありました。
ただし、委員が全員議員であるため中立性の確保が難しいことから、外部有識者を含む第三者委員会の導入が今後の課題とされているとのことです。
また、令和6年には要綱を条例化する方向で全会一致により検討が進められていると報告されました。
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海老名市として
海老名市議会でも、こうした先進事例を参考にしていきたいと思います。そして、すぐにでもできることもあるのではとも思っています。
たとえば、
•実態を把握するための定期アンケート調査の実施
•外部有識者を含む相談・調査体制の構築
•言葉や態度による心理的圧力(モラルハラスメント)への配慮
•議員研修の定期開催と行動指針の明文化
といった取り組みなど。
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現代における「ハラスメント」とは
ハラスメントとは、本来「優越的な立場を利用して相手に精神的・身体的な苦痛を与える行為」を指します。
しかし一方で、社会全体の意識が高まる中、「注意や指導までもがハラスメントと受け止められる」ケースも増えつつあります。
こうした行き過ぎた“ハラスメントの濫用”を防ぐためには、被害を受けた側だけでなく、指摘を受けた側の立場も含め、双方にとって公正で冷静な検証が行われる仕組みが欠かせません。
いわゆる“ハラスメント・ハラスメント(ハラハラ)”を生まないためにも、第三者の公平な目線で事実を確認し、感情論ではなく事実と基準に基づいて判断する体制づくりが重要です。
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議会は市民の声を代弁する場であり、その内部で不安や不信が生じては本来の機能が果たせません。
糸魚川市や長野市の取組は、「議会から社会を変える」動きとして大変参考になりました。
海老名市でも、こうした学びを生かし、誰もが尊重され、安心して意見を交わせる議会を目指してまいります。
同時に、過度な糾弾ではなく、公正な手続きによって信頼を築く——
そんな“成熟した議会文化”を育てていきたいと考えています。

