20才の頃、21までにハードロックバンドのボーカリストとして、バンドでインディーズデビューしたいという夢があった。

でもその夢は21になっても、21を過ぎても、ハードロックでなくても、ボーカルでなくても、バンドでなくても叶わなかった。

その頃、同時に地元のFM局のパーソナリティになりたいという夢も持ってたけど、こちらも同様。

だからと言って、それに対して悲観はしていないし、した事も無い。
でも音楽に関しては、インディーズデビューどころかバンド活動そのものが思ったようにできなかった事の方が、よっぽど焦ったり気持ちが折れそうになってたけど(笑)。

録音の機材や自分達のやってる事ややりたい事を発信できる場所やツールやコンテンツが、自分がかつての夢を抱いたりその目標やリミットとしたりしてた頃よりもはるかに充実してきたからというのも大いにあると思う。
それらの恩恵で、かつての夢を叶えられなくても、それ以上により本質的な自分にとってのやりがいや達成感や充実感を持ってやれるようになった。

でも、以前に先輩であり友人でもある山崎さんとも話したように、今は誰でもミュージシャンになれてしまう(職業としてではなくても)事による弊害もある。
時おり、自分自身もその弊害のお手本なのではと思うことがよくある。

特に最近は、自分の演奏やステージが何と言うか、軽くなってしまってると自分でも感じてしまう。
小手先でかわすテクニックも無いのに、小手先でかわすような気持ちでステージをこなしてるだけになってしまっているのではないかと、自分でも感じてしまう。
こうなってはいけないと思ってる事になってしまってるような気がする。

昔は活動自体ができなくて、周りや自分が普段聞いたりライブを見たりしてるバンドが活動してる様を見ては羨んだり自分の状況に苛立ったりしてた頃の自分が、今の自分を見てどう思うことやろうか。
きっと「俺は活動したくてもできないのに(当時は今のように弾き語りで精力的に活動するという意識が無かった)、お前はそんな小手先でかわすような事しかできんのやったらやめてしまえ!」とマジ切れして締め上げるのは間違いないやろう。

活動できなかった頃や、今のように弾き語りメインでコンスタントにライブを入れるようになりだした頃や、心に陰を抱いたままながらも大好きな音楽やバンドやライブに対して熱くアグレッシブに取り組んでいたCRYSTAL EDGEの頃や(今思い返しても、音楽をやってきた中で一番殺気立っていた時期だった気がする)、再び弾き語りメインで仕切り直しだした頃の方が、今よりもよっぽど自分の音楽に対して真摯に取り組んでいた。

今の方が音楽をより楽しんでいる。
昔(特にクリスの頃)はロックンロールライフ(普段は普通の社会人ですが)をアグレッシブに駆け抜けたいと思ってたけど、今はミュージックライフをマイペースに楽しみたいと思っている。

インディーズデビューの夢が一生叶わなくても良い。
インディーズデビューしなくてもインディーズで精力的な音楽活動はできるし、音楽や演奏やライブに対して真摯に取り組み直したい。
大好きな音楽をもっと楽しみたいから(←やっぱりこれに尽きる)。