仕事帰りにブックオフに立ち寄って、前から欲しかった本を買いました。


TACASHIの青い夜空の海の追憶-kyokai
胸懐(TAKURO・著)


GLAYのギタリストでありリーダーでありメインソングライターでもあるTAKUROさんが、GLAYのTAKUROとして、そして久保琢郎としての半生を綴った著書。


この本が出たのは2003年。

当時本屋に並んでるのを見て気になって立ち読みした事はあった。

立ち読みやけん本当に流し読みでちゃんと読めてなかったけど、恋人との別れと、人気絶頂でありながらもメンバー全員でGLAYの解散を本気で考えていた時の事を書いている所が印象に残った。


自分の話になるが、この本が出た当時、僕は音楽活動がしたくてもできなかったけど、付き合って2年になる恋人がいて、お互い将来は一緒になれると信じ合っていた。

音楽活動ができなかった事に気持ちは燻っていたけど、その女性は僕にとってそれ以上の存在だった。

そんな時にこの本を読んでも、TAKUROさんの恋人との別れの事は自分にとっては無縁の話を思っていた。


しかしそれから3年後、別れの時が訪れた。

自分にとって色々な事がいい方向に動いていて、恋愛も音楽も仕事も今までの積み重ねが報われてきてると思ってた時期だっただけに、たった一人の女性との別れですべてを失ったような喪失感と絶望感が常に自分と隣り合わせになった。

それ以来、女性という種類の生き物に対して、ある種の不信感、恐怖感、嫌悪感すら今でも抱いていて、あるミュージシャン仲間に「TACASHIは女性と深い付き合いをする事を故意に避けようとしている」と言われた事もある。

それからの3年間、欲しいと思っていたこの本をブックオフで見つけて買おうと思っても、精神的に痛くて買えなかった。


そういった精神状態は音楽にも向けられ、特に書く詞が変わっていった。

それまではポジティブな歌を歌いつづけたい、ポジティブな詞を書きつづけたいと思っていたけど、そういう詞を自分で歌ったり書いたりするのが怖かった。

それまでやっていたポジティブなオリジナル曲をライブで歌う事も無くなっていった。

リクエストされても歌わなかったし、歌いたくもなかったし、この先二度と歌う事は無いとさえ思っていた。

カバー曲の選曲もまたそれに合わせて変わっていった。

歌いたくなかったのは、精神的に痛いからであって、曲自体が嫌いになったからではなく、自分の気持ちを偽りなく書いた詞であっても、その時の自分の精神状態で歌ってはいけないという、曲や詞に対する自分なりの節儀やプライドによる物でもあった。

そうなってからも、そうなる前も、僕は歌詞に対していい加減な気持ちでいる連中ははっきり言ってむかつく。


音楽は好きやったけど友達と趣味でやってたバスケの方にハマっていて、まさか自分が音楽をやるなんて思わなかった僕が何が何でもバンドをやりたいと思うきっかけになったバンドがGLAY。

CRYSTAL EDGEをやりだして2年あまり。

結成当初は俺はGLAYで言う所のJIROさんのポジションでと、クリス結成のきっかけを作ってくれた人に言われてたけど(俺の使ってるベースもJIROモデルやし)、メンバーで一番ソングライティングに積極的という意味でどちらかといえばTAKUROさんの方が近い(クリスのリーダーはSARIAさんやけど)。

昔はHISASHIさんのようになりたくて憧れてたけど、クリスをやりだしてからはTAKUROさんに共感するようになった。


あれからの3年間、大好きな音楽をする事にさえも精神的に疲れた時期もあったし、やめるという訳ではないけど、音楽からいったん離れようと真剣に思っていた。

また音楽活動を再開するにしても、そのまま音楽は二度とやらないにしても、そうしないと精神的にきついし、そうした方がまた音楽をやりたくなった時に良い精神状態で臨めると思っていた。

しかも、そういう精神状態にも関わらず、SARIAさんからのクリスの正式ベーシストとしての誘いによくOKしたものです(笑)。

当然、この当時はメンバーにそういう事を思っている事は言えなかったし、サックスプレイヤーの上さん、wethotの増田さん、現T.W.Kのベースのゆふこさん、VISAGEとREVIVEで一緒にやってたギターのかっちゃんにしか話せなかった。


クリスをやったお陰で、音楽活動から一旦離れなくても、今良い精神状態で音楽をやれてます。

メンバーや応援してくれてる人達には本当に感謝しています。


そういう今だからこそ、この本を迷う事なく買う事が出来た。

しかも105円で(笑)。

バーコードの上に貼っている、ブックオフのロゴ入りの値札がそのリーズナブルさを物語っている・・・。


自分の話で長くなってしまったけど、これからゆっくり読みます。