池田さんは引退後もエラーの悪夢を消すことができないまま日々を過ごす。そんな池田さんにテレビ局が企画を提案した。(アメリカで元メジャーリーガーである人物と会ってみないか。)彼の名前はビル・バックナー。レッドソックス在籍中の1986年ワールドシリーズの最終戦最終回でトンネルのエラーをしてニューヨーク・メッツに優勝を献上した男だ。池田さんは渡米する。自身と同じ傷を持つ元メジャーリーに会うために。そして池田さんは衝撃を受けた。バックナーは多くは語らず池田さんに語る。(おれは大試合でエラーをした。これは現実。しかしこのエラーも自分の人生の一部なんだ。受け入れなければならない。楽しいことも辛いこともすべて人生だ。すべてを受け入れろ)バックナーは笑顔で池田さんに語った。池田さんは泣いた。そしてこう言った。(長年のつかえが和らぎました。)世紀の大エラーさえも自身の誇り象徴であり表現した元メジャーリーガー。数年後 池田さんは他界した。しかし我々の記憶から背番号7が消えることはない。