その日は、いつもと同じ

 

「また長い1日が始まる。」

 

どんよりした気持ちでした。半年前のあの勢いはどこかに消えて、必死に息しながら送る毎日。

 

いつもの通勤ルートをいつもの時間いつもの風景いつもの気持ちで足を無理やり前に前に突き出し歩きました。

 

バイトの子「マネジャーまだ来てないです。」

 

いつもマネジャーは一足早くきてました。新店舗の立ち上げというのもあり、業務も山盛りだったので。

 

1時間が経過したあたりで、電話がないし、寝坊するような人じゃないのでこちらから電話をしてみました。

 

「もしもし」

 

「おつかれさまです。○○です。マネジャー、今日は・・・」

 

「ごめん・・・、体調がよくなくて。マネジャー会議も出てないし、歩けないくらいで・・」

 

肺が指先程度しかないのかくらいの肺活量なのか、空気を絞り出したような口調。それかお腹を刺されてて必死に出した声のようなものでした。

 

「わかりました。こっちは大丈夫なんで、ゆっくり休んでください。」

 

ちょうど明日はマネジャーが公休日だったので、二日間は休ませられると思っていました。

 

しかし、翌日。

 

営業部長が朝一で来店し、

 

部長「〇〇さん、おはよう。少しお話いいかな」

 

私「はい」

 

部長「実は、〇〇マネジャーは大動脈破裂により亡くなられた」

 

私「え・・」

 

この時の私の脳内は、過労死?体調不良でも病院いくより出勤を優先してた?仕事のせいで亡くなったのでは?

そこまでやる必要あるの?

 

命を賭してまで、やる必要は????????

 

自分も後を追うのではないかと怖くなりました。

 

その後は代理が来るまで、マネジャー代行をし、提供率やクチコミ、提供時間を日に日に気にする生活。少しでも数値がブレると、部長からの質問攻めなど。

 

命をかけて、お客様にサービスを提供する意義って?

 

もはやそんなことを考えるまでに。

 

真面目な自分の性格が邪魔して、自分の首をずっと締め続けていることにようやく気づき始めました。

 

 

次回『パニック障害編』お客様ファーストという呪い