スラムと呼ばれる場所をいくつか訪れたことがある。スラムとは生活水準が低い人が密集した場所であり、大都市ならば大抵あるが、その規模と種類はさまざま。少々悪趣味なテーマではあるけど書いてみることにした。

 

山谷(東京)

浅草に隣接する地区で昔からあるドヤ街。明日のジョーの舞台としても有名だ。ドヤ街が密集しているエリアは僅かで、それ以外はほぼ古めの街。昔に比べると規模はかなり小さくなっているようで、ドヤだった宿も今ではゲストハウスに鞍替えしたところが多数ある。ドヤの住人の多くは老人で、生活保護を受けているらしい。

 

寿町(横浜)

横浜中華街に隣接しており、中華街を歩いていて踏み入れてしまった人は多いのでは。ドヤ街としてのエリアは狭いけど、やたら窓とエアコンの多いビルが並んでいて、道にゴミが散乱していたりして、入った瞬間に違和感を感じるのだ。この町に関するエピソードは村田らむ氏のホームレス大図鑑が面白い。

 

西成(大阪)

通天閣の先にある日本一のドヤ街。若い頃からたびたび年末年始に訪れている。難波からこのあたり(+新地)まで散歩するのが好きなのだ。昔は労務者の街だったようだけど、最近はYouTuberによく取り上げられるのですっかり有名になってしまって面白くない。外国人バックパッカーを目にする機会も増えたが、山谷ほどゲストハウス化は進んでいない。

 

マニラのトンド地区(フィリピン)

世界最大のスラムのひとつ。マニアの観光地であるサンチャゴ要塞から近い。非常に危険と言われているが、華僑の人口も多く、日本人なら紛れることができる(かもしれない)。トンド地区に限らず、フィリピンでは夜中によく乾いた音が聞こえる。自分の泊まっていたホテルもまあまあ治安が悪いところで、夜には家族連れのホームレスが道にびっしりと寝ていた。建物の影になっているようなところは隙があれば必ず誰かの家になっていた。

 

マニラにはこのような密集地がいたるところにある。

 

隠し撮りをしたので指がかかってしまったが、このような光景が無限に広がっている。

 

情報が多い。

 

路地には子供が多い。

 

ジャカルタ駅周辺(インドネシア)

インドネシアの生活水準は低く、住居を見ただけではどこまでがスラムか分からないけど、線路沿いの住居は周りと比較して見窄らしかった。しかし、子供が多く活気があり、治安の悪さは全く感じなかった。

 

線路沿いは線路も含めて生活の場。

 

ポイペト(カンボジア)

タイとの国境の街ポイペトは昔から悪評が多い。タイへ不法入国を企む人がたむろしているし、特別区ということでカジノがたくさんあり、体感的にも治安が悪そうだった。たくさんの粗大ゴミ(リサイクル品?)を持ってタイとカンボジアを行き来している子供がたくさんいたのが印象に残った。

 

ガヤ(インド)

まずインドにはカーストによって職業が定められているという問題がある。このカーストは職業だけでなく、暮らしにも影響している。驚いたのは家を持ってはいけないというカーストだ。河川敷にビニールシートの小屋を作って家族で暮らしている人をよく見た。そのような人を興味本位で見ていると、他のインド人から見るなと注意される。ダリットとか不可触民とか呼ばれているが、その中でもさらに細分化されている。ガヤのような田舎町では彼らに対する差別が顕著だと感じた。また、ガヤの街は世界中から仏教徒が集まるので物乞いが多い。手足などを切断して同情を引き、多くのお金を集めるプロ物乞いもかなり多い。しかしあまりにも物乞いの数が多すぎて、あぶれてしまったものは生ゴミを食べるしかない。ゴミ捨て場に捨てられた食べ物を牛や犬に混じって一緒に食べている人を見たのはショックだった。

 

カイロ(エジプト)

カイロ周辺には1600万人が住み、生活水準は平均して低い。どこからどこまでがスラムか分からないけど、オールドタウン周辺は汚いエリアが多かった。

 

スラムはゴミと野良犬がセット

 

強烈な腐敗臭

 

でたらめな建築

 

アテネのオモニア地区(ギリシャ)

適当に安いホテルを予約したら治安の悪いエリアだった。キャンセルしようか悩んだけど、行ってみることにした。全ての建物の壁は隙間なく落書きで埋め尽くされ、路上は中東からの難民で溢れかえっていた。もともとここがアテネの商業の中心地だったようで、店舗はとても多いけどほとんどシャッターを閉めていた。夜になるとヤクの売人がたむろするらしい。こんなところでも中国人をよく見かけた。同じ人種を見かけると安心する法則がある。結局、ここでは何事もなく過ごせた。アテネはここに限らずどこもかしこも落書きだらけだし、ヤク中がそこらへんをフラフラしている。

 

パリ北駅(フランス)

この駅周辺がスラムというわけではないけど、この駅と繋がる路線がスラム化しているので、とても治安が悪いとされている。空港に行くのにパリ北駅を使わざるを得ないので、ある程度のリスクは許容するしかない。

 

テンダーロイン(サンフランシスコ)

サンフランシスコ最大のスラム街。ダウンタウンの中心地にあるので、気をつけないと足を踏み入れてしまう。実際に歩いてみると、この地区では病気を抱えている人がほとんどに見えた。なんらかの福祉に頼って暮らしている人が密集しているだけなのだ。昼間歩いた感じでは治安の悪さは感じなかった。スラムといってもいろいろな属性があるもんだ。

 

リマ郊外(ペルー)

リマは治安が悪いと聞いていたので、ミラフローレスという高級住宅街に滞在していた。しかしバスでクスコに行く必要があったため、適当なタクシーを捕まえてダウンタウンのバスターミナルへ行き、そこからバスに乗った。リマの郊外に行くにつれ、街並みはみすぼらしくなっていった。赤いレンガを積んだだけの簡素な家がほとんどで、それが二階建てだったり三階建てだったり、地震などきたらひとたまりもないと思った。さらに悪いことに太平洋に面した海が間近にせまっていた。

 

セントロから見えるこの山はガチスラムだと聞く

 

ファベーラ(リオデジャネイロ)

ブラジルのスラムをファベーラと呼ぶが、リオデジャネイロの街を歩いているとどこもかしこもファベーラである。ファベーラでなくても路上生活者が多く、治安の良さは感じられなかった。上半身裸でタトゥーを入れている人たちが警察に囲まれて身体検査をされている様は映画でしか見たことのない光景だったけど、ここでは普通に見ることができるのでおすすめ。

 

町の中心部でこれ

 

泥棒市好き