2021年、東北〜北海道の縄文遺跡が「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界遺産に登録された。

縄文のビーナスを見て、その美しさに縄文にハマったばかりの自分はこれらも回ってみることにした。

 

1.御所野遺跡

一戸にあるこの遺跡はかなりの規模。焼け落ちた竪穴住居の跡が見つかったことで、竪穴住居には土が被せてあった説が濃厚となった。ちなみに、土を被せた竪穴住居の耐火性は極めて高く、わざと燃やす実験ではかなりの火力が必要だったようだ。


2.是川石器時代遺跡

まずは国宝土偶巡りで訪れた八戸の遺跡。極めて状態の良い漆塗りの土器が大量に出土。その工芸品としてのレベルの高さには驚いたものだった。


3.二ツ森貝塚

七戸にある貝塚。廃校を利用した博物館ではクイズラリーが行われており、難易度が高く楽しめた。


4.小牧野遺跡

環状列石で有名な青森の遺跡。なんとも不思議だ。


5.三内丸山遺跡

最も有名な縄文遺跡。巨大な柱の跡は建物だったのか諏訪の御柱のような祭事のものだったのか。集会所と思われる建物跡も縄文の概念を覆す。長いこと使われたゴミ捨て場からは膨大な量の縄文土器。とにかく規格外の遺跡であるが、まだ発見されていない同規模の遺跡が日本にはまだあるのではないかと思うのだ。


6.大平山元遺跡

津軽の北端エリアから日本最古の土器が出土。最新の年代測定によれば16500年前になるそう。中国ではもっと古い土器が数点出土しているが、年代測定の信憑性が低く、日本が世界最古なのではと言っている研究者もいる。そしてここを起点として九州まであっという間に土器文化は広まった。


7.亀ヶ岡石器時代遺跡

最も有名な遮光器土偶の出土地点。縄文晩期には亀ヶ岡文化として東北のみならず北海道や関東にも広まる。その紋様はアイヌ文化のデザインにも近く、穿った見方をしなければ縄文からアイヌへの連続性はあり、世界遺産として登録された大きな理由だろう。
 

8.田小屋野貝塚

特に見るものは無かったが、亀ヶ岡遺跡のすぐそばなのでついでに訪問した。


9.大森勝山遺跡

弘前の環状列石。岩木山が目前にそびえ、神聖な感じがする。


10.大湯環状列石

最も有名なストーンサークル。規模が大きく出土品が多くとても見応えがあるのだ。


11.伊勢堂岱遺跡

秋田の内陸にある遺跡。環状列石の他に膨大な土偶が出土。豊かな文化があった。


12.垣ノ島遺跡

函館あたりは文化圏としては今でもほぼ東北。土器や土偶も東北との類似性は高い。併設の博物館では国宝の中空土偶が展示されている。


13.大船遺跡

垣ノ島遺跡のすぐそば。多くの竪穴住居跡が見つかったそう。


14.入江・高砂貝塚

洞爺湖まで来ると北海道という感じがする。かなりの規模の貝塚が野ざらしになっているが管理は適切に行われていた。白粒間では骨の加工品が多く独自の文化を楽しめる。


15.キウス周堤墓群

博物館やガイダンス施設は平日のみで見れなかったが、遺跡に入ってみると多くの窪地があることが分かる。縄文人がこれらを手で掘ったというのは実に興味深いのであった。

 

 

北海道・北東北の縄文遺跡群はやはり範囲が広大で、新幹線、飛行機、レンタカーを複数回使ってやっと攻略することができた。

公共交通機関がほとんど使えなかったため、一回の旅程はかなりの金額になってしまった。

しかし、それぞれの遺跡の特色が強く、時間が経った今でも思い出せる部分が多くとても満足しているのだ。