世間の投資への関心の高まり、2024年から新NISA開始とあってネット上では株式投資に関する情報発信が増えてきています。

僕は以前からiDeCo・新NISAでは「全世界株式インデックスファンド」「全米株式インデックスファンド」しか選択肢にならないと考えています。

一方で、関心しないな〜と思う情報発信が多々ある状況に、鬱々とした気分です。

例えば

登録者数100万人を超えるビジネス系チャンネルでNISA解説の動画が上がっていました。

ちょっと信じられない内容だったので動画の要点とそれに対する僕の意見を書いていきたいと思います。

①新NISAの積立投資枠には「日経225」

のっけから衝撃的。なぜにアメリカや全世界を差し置いて少子高齢化が進む日本を選ぶのか？日本人のお給料上がんなくて、けど老後資産も足りないから投資するんでしょ？なのになぜに日本を勧める？

②積立にオルカン（全世界株式）は向かない

為替リスクがあるからという話でしたが、全世界株式と全米株式は為替リスクを負ったとしても全然気にならないくらい上昇してきました。

長期の積立投資に為替リスクは考慮しなくていいと言えるでしょう。ちなみに日本株にも為替リスクはあります。円安だと輸出企業は儲かりますので、それが多く含まれている日経平均は上がりますが逆に円高だと下がります。為替を理由に日本株に誘導するのはミスリードだと思います。

③新NISA、成長枠では10倍株を狙え

投資の初心者が株価10倍になる銘柄を選ぶことは難しいです。プロでも難しいです。技術が必要な投資は老後資産形成の口座ではなく、特定口座で行うべきです。

おうおうにして、自分の買った銘柄が株価上がらない。けど待っていればきっと上がってくるはずだ。そうやって数年経って、買った銘柄は株価上がらず。インデックスはずんずん上がって行った。時間を無駄にした。こうなるのがオチです。

10倍狙いは否定しません。しかし、それはNISAには向きません。老後資産形成のために絶対に失敗できないiDeCo・NISAは全て面白味のないインデックスにしてください。インデックスは白いご飯、それ以外はデザートです。デザートで腹一杯にしないでください。

④新NISA、成長枠では配当の出る銘柄を狙え

高配当銘柄が人気ですが、僕はパスです。なぜなら、配当を出す銘柄というのは成長期を過ぎた企業だからです。今まさに登り調子の企業というのは、資金を事業拡大の投資に回します。成長による株価上昇によって投資家に報いるのです。

高配当銘柄は、事業拡大が終わって、株価上昇では投資家に報いることができなくなった企業です。余った金を配当というカタチで還元するようになった企業です。もうおじいちゃん、おばあちゃん企業なのです。

必然的に投資パフォーマンスでインデックスには勝てません。

全米株式インデックスファンド（ティッカーシンボル＝VTI）と高配当銘柄インデックス（ティッカーシンボル＝SPYD）の株価比較です。

SPYDの方がVTIよりも配当利回りは3%ほど高いですが、それを込みでもVTIに全然勝てません。

新NISAで高配当銘柄に投資することは、VTIよりもSPYDの方にベットすることと同義です。非常に勿体無いと思います。

⑤投資で損をしても子供や孫に、企業のオーナーであることを誇れる

一番意味わからん。一番、、、意味わからん。

投資はお金増やすためにやるもんでしょ。そんな道楽で投資できるほど皆んな金余っとるんですかいな。投資で損したけど、オーナーなんだよって、おじいちゃんダサッ。負け惜しみも大概にせえよ？儲けてお小遣いくれや、おじいちゃんってなるよ。

動画の専門家がこの説明し出した瞬間、出演者も目ぇ点になってたよ？

⑥専門家が選ぶ10倍株有力候補「富士製薬工業」

株価を見てみました。

直近の売上高成長率＋19%、、、うーむ、悪くはないけれども、もっと欲しい感じはします。米国には＋40%、＋50％で伸びてる企業があるだけに。なんで日本株縛りを課しているのか、ちょっとわからない。

①〜⑥と、全体的に首を傾げる内容しかありませんでした。日本株を買わせて手数料を取りたい証券関係者のご都合営業トークという印象でした。YouTube上の投資メディアはこんなのが99%ですね。参考になるのは1%くらいです。他はやたら日本株推し。まあ、自分達の商売のためには仕方がないんでしょうが。

顧客の資産形成を犠牲にして、自分たちの手数料稼ぎ。辛い商売だなと思いました。彼らのトークに乗せられて日本株で積立設定した顧客は資産形成めちゃくちゃになるだろうなと。

こんな営業トークにまみれた言論空間は放っておいて、これから投資を始める人は、世界の投資家がみんなやっているように、全世界株式か全米株式かのどちらかで積立すべきだと思います。

新NISAを巡り蔓延する営業トーク