船が停泊している港はスタヴァンゲル市街に隣接しています。
フラムの次の寄港地「スタヴァンゲル」に寄港した日はちょうど「ノルウエイの建国記念日」でした。
午前中に「リーセフィヨルド遊覧クルーズ=Lysefjord: pulpet Rock Cruise」に参加した私たちは、船のプール脇にある「DIVE IN」というハンバーガーとホットドックのレストランで平らげ、街の中心の教会広場に出かけました。
船が停泊している港はスタヴァンゲル市街に隣接していて、どこでも徒歩圏で行けそうです。
盛装や民族衣装の人々が、ぞろぞろと通りを歩いています。そこらじゅうが国旗で飾られています。
彼らが向かう町はずれに、ついていくことにしました。
するとスタヴァンゲル・コンサート・ホール に到着。屋外の仮設舞台では催しが行われ、ロシア系の人達が歌と踊りを披露しています。
たくさんの食べ物の屋台も出ています。 この屋台、イスラムの人達用の食べ物もあって、にぎやか!
「スタバンゲルは石油基地で、実は、ノルウエイは世界9位の石油輸出国であり世界3位の天然ガス輸出国なのです。
国内の電力は水力発電でほぼ賄っていることから、産出された石油・天然ガスの約9割は海外に輸出されています。」
出典:ノルウェーの経済 - Wikiped
ノルウエイには1960年代に海底油田と天然ガス田が発見されました。それ以来、石油が国の経済の根幹となっているのです。
また、全人口が約480万人と500万人の福岡県だけの人口より少し少ない数です。
最近は、難民受け入れ反対が叫ばれていますが、難民の受け入れに寛容な姿勢を見せていたノルウェー。
人手不足の産業では、ロシア、ポーランド、など東欧からの移民が増え、やがてアジアからも、賃金が高く、社会福祉の充実したこの国にやってくるようになったのです。
私たちが着岸した5月16日の建国記念日にはそうした多国籍の人々が集い、建国の日を一緒に祝う姿は平和で、和やかなものでした。
スタバンゲルは石油産業で栄えることが出来たので、国民も移民もウインウインの関係で、この国で一緒に生活できる喜びを感じているように見えます。
最近、EUの離脱を決めたイギリス、このノルウエイをモデルに国を支えようとしています。
果たして出来るかどうかは判りません。
ノルウエイは今のところ大変豊かな国で、人口も少なく、自国の独自性を享受し、EUに入らなくても十分な国家運営を行うことが出来ています。
「豊かなところで、平和の内に人間らしい生活をする。」ことはいつの時代でも世界すべての人達の共通の願いです。
水が高いところから低いところに流れる如く、生活が困難な場所から平和な場所へ流れ込むのは、歴史の中では普通のことです。
18世紀貧しかったノルウエイの人々が、オランダに移民としてわたり、やがて米国、カナダに渡ったことは知られています。
そして、後から来たもの=移民は既得権を持つ現地住民と何らかの軋轢を持つことは仕方がないことです。
しかし、ノルウエイのすばらしさは、後から来た人々にも平等な教育と社会参加を持つ権利を与えたことです。
とても小さいノルウェイですが、EUにも属さずに成り立っているという事実。
「同じ場所で暮らす人々が上手に付き合い、将来もグローバル化のなかでどんな独自性を持ち続けていくのか?」
これは興味あることで、日本にとっても、参考になると思います。
こちらに在日ノルウエイ大使館がHpに掲載している文章を載せます。
○ノルウェーはなぜEUに加盟していないのですか?
1994年に行なわれた国民投票の結果、ノルウェーはEUに加盟しないことを決定しました。
主な理由としては、EUに加盟することによって国内および国際的政治政策で、国としての独自性を保つことが難しいことや、貿易・産業の分野でノルウェーの利益を十分に守ることができないことなどがあげられます。
ただし、1994年の国民投票の結果をみても反対52%、賛成48%とその差は大変小さく、意見の分かれる難しい問題です。現在でも引き続き議論が行なわれています。
※ノルウエイ王国日本大使館HPより
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