私が学生時代に就活で集団面接を受けた時に、衝撃を受けたことがあります。

学生のひとりが自己PRで、『私は諸葛孔明のような人間です!! リーダーシップと先を読む力、臨機応変に対応する力を身に付けています。具体的には、…』というものでした。

聞いている方は『なにっ!』となりますよね、自分を英雄と並べるのですから。(掴みとしては良いかもしれませんが)

諸葛孔明は中国の三国志に出てくる英雄で、本人とすれば自己PRのキーワードとして使ったのだと思います。

一方で、その学生の見た目は非常に真面目で、受け答えも緊張していてガチガチ、質疑では覚えたことを一気に吐き出すという感じで、臨機応変とはまるで違うスタイルでした。

面接官だけでなく、私を含む横の学生も『これが諸葛孔明?』となっていたと思います。もちろん次の面接では見当たりませんでした。。。

なにが言いたいのかというと、自己PRにおいて『自らを客観視できている』ということは、とても大切です。


学生が話す『自分』(内容)
   と
面接官が受け取る『自分』(印象)





この2つはできるだけ近い方がいいのです。
ここに大きなギャップがあると、言葉に説得力がなくなります。

上の例のように、自分で諸葛孔明とPRしても、本人の実際の素振りや質疑応答を聞いて面接官が全然違うなぁ…と思われれば、〝また背伸びしてる…”と取られてしまいます。
その後に何を話しても、もう面接官には響くことはないでしょう。

なので、リーダーシップが全然ないのに、『めちゃくちゃ、あります!』というのは逆効果です。ほかのことも然りです。

自己PRでは、自分に無いものを無理矢理膨らますのではなくて、自分にあるものを膨らます、そこにフォーカスすればよいと思います。

たとえば、リーダーシップがないと自認しているなら、『仲間をグイグイ引っ張っていくタイプではないですが、一つのことはとことん突き詰めてやり切ることが強みだと思います。例えば、バイトで…朝までかけてやり上げました!』みたいな方が面接官には伝わると思います。

面接官も、学生がある程度背伸びしていることは分かっているのですが、面接官に『この子は自分のことがしっかり見えているなぁ』と思ってもらえれば、他の受け答えにも自ずと説得力が出ると思います。