年を重ねるにつれ、『歩く旅』というのが私にとって大きなテーマのひとつになりつつある。

若い頃はスピード感あるものに憧れていたのに、今では飛行機や新幹線どころか高速道路を走るのも面倒くさくなってしまった。高速移動後に残る独特の疲れも嫌だし、何よりも道中の大事なものを見逃してしまっている気がしてならない。

 

 

 ゴールデンウィークの間もできるだけ歩いていろんな風景をじっくりあじわってみたいと思い、ひとまず4月30日、九州オルレ別府コースにチャレンジすることにした。

 

スワンボート乗り場とキャンプ場は多くの家族連れで賑わっていた

 

多くの人出だったがオルレ参加者はどうも私だけのようだった

 

 到着後、湖畔にある龍神の水をペットボトルに汲んだり、悠然とマップを眺めてたりしていたら、所要時間3~4時間と書いてあるのに気がついた。ここの駐車場は17時で施錠されてしまうので慌ててスタートした。(この時すでに14時14分)

 

 コースの前半に登り道はなく、時短を稼ぐにはここしかないと思いとにかくガシガシ歩いた。

 

東山小中学校

 

 コース沿いには桜の木が植えられ、美味しそうなコゴミやワラビも多く生えていたが、こんなところで立ち止まっていては時間内にゴールできないと思い足早に立ち去る。

 その後も魅力的というか変化に富んだ光景が目に飛び込んでくる。

 

 このへんは本当にしんみりと静まり返っている。

 時折聞こえてくるのは、城島高原パークゆうえんちからジェットコースターのゴゴゴっという響きと乗客の悲鳴。まるでGWに表と裏があるとすれば、世間一般的にはあちらが表なのかなぁなどと考えながらしみじみとこの静寂を楽しんだ。

 

どこか知らない惑星に迷い込んだ気がした開発エリア

 

オルレの進行方向を示す矢印

 

こんな細い道を歩かせるコース設計がなんとも心憎いではないか

 

由布川峡谷の源流域は初めての来訪

 

 この小さな滝からしばらくは渓流のせせらぎを聴きながら道を下っていくが、そこから先はゴールまで延々と登り道が続く。

 

「ふくろう岩展望所」ここからギアを一気にチェンジ

 

猪の捕獲ワナ

 

由布岳と鶴見岳を望む最後の展望所

 

 8kmを過ぎた地点で時間は16時すぎ。残り3kmを1時間を切った中で歩くべきかどうか大変悩んだが、コース最大の見どころである神楽女湖の菖蒲はまだ咲いておらず、出直さねばならないのが目に見えていたので諦めてショートカットの道を選んだ。

 

夕刻も迫りキャンパー達が次々とテントを張っていく

 

 九州オルレは最初に開設された『奥豊後コース(豊後大野市~竹田市)』が長くナンバーワンの人気だったが、別府コースが出来ると首位の座を譲る結果になったと聞いた。

 地域やコースへの思いは様々だけれども、歩き終えたあとに温泉が待っててくれるのは嬉しいよね。

 

 

 この日は、馴染みの芝居の湯で汗を流しながら、次は何処を歩こうか大きな湯船の中で考えていた。あー幸せ幸せ。せっかくのGWなので、も一回くらい歩いてみようと思う。

 

 

 

 

 でわ!