とある仕事で つくみイルカ島 に行ってきた。

 バンドウイルカ 
元は、津久見市仙水遊魚センターという釣り公園だったところを改装(ふさわしい表現?)して、イルカを中心とした海の生き物を展示している。
水槽でなく、養殖用の生け簀で飼育している為、人間が生け簀の上を歩きながら海面を覗き込むようにして見学するのである。

イルカ島全体 
飼育員スタッフの中にはトレーナーと呼ばれる人がいて、イルカを調教して様々なパフォーマンスを披露したり、ウェットスーツに身を包んでイルカの背中にしがみつく格好で一緒に泳いだりも出来る。
そんな事をやっている施設なので、イルカの方も人間が近づくと寄ってきたり、顔を出してじーっと見つめてきたりする。

なついてるイルカ 
近づいてくるのはイルカだけではなかった。

アザラシ 
アザラシも寄ってきて、見つめる。

シマアジ 
 シマアジ、ブリ、鯛、クエといった高級魚も群れでじわ~っと浮いて寄ってくる。

そして、何故ここにいるのか分からないトカラ列島産の山羊までもが、スタッフに角で突進してくる有様なのであった。
咄嗟に、これはなついているとかいうことでなく、単純に人影が現れると餌が食べれると思って寄ってくるのではないだろうか?という気がした。
高級魚が口を開けてパクパクと餌乞いをする鯉と重なった。

ガイドをしてくださったスタッフの方に餌について尋ねてみると、冷凍したイワシやコノシロなどを専門業者から仕入れて与えるのだが、大人のイルカで1日に平均12kg前後の小魚が必要らしい。
しかも、形の整った魚のみを分別して与え、形崩れしたものがブリ達の生け簀にまかれると言う。
餌の値段を聞いてみると、結構馬鹿にならない。陸上の犬や猫、草食の牛や馬の方が断然に飼いやすい事が分かる。
水中に暮らしているとはいえ、哺乳類なので風邪をひくことも多いと言う。病原菌による伝染病もあり、獣医の先生は毎日訪れているとの事。
おまけに最近では、イルカに外科手術を施したというから、飼育スタッフのご苦労に頭の下がる気すらした。
まるで人気タレントを抱えるどこそかのプロダクションのようだ。

餌を与えると全ての動物が親しくなるかと言うと、そうでもないようである。

ペンギン 
 マゼランペンギンは人に媚を売っていないように思えた。近づいてもキョトンとしてるか、警戒するようにすり足で遠のいていく。
餌を見せびらかしたらどうなるのか興味もあるが、きっともらうだけもらったらさっさと離れるに違いない。
ちなみに餌は雄のシシャモらしい。
なんと。
子持ちシシャモでなく、雄のシシャモ。
その瞬間、ペンギンの背中がまるで新橋や神田のガード下で飲んでるお父さん達のように見えてしまい、とても不憫に思えてきた。
子持ちシシャモまではいかなくとも、せめてアジとか、たまにはカマス、今日は伊豆から良いサヨリが入ってるよ!どうですかお客さん?みたいなガード下のささやかなお薦め品は与えないのか聞いてみたのだが、クチバシの長さと口の大きさからシシャモが丁度良く、他の魚は食べれないらしい。
なんだ、そんな事だったのか。
であれば、ペンギンのサラリーは施設側とお互い納得した、適切な内容だと言わざるをえない。
だから愛想なくても、成立するのだろう(←テキトー)

動物園や水族館と同じく、こういう施設ではどうしても子どもの情操教育、大人であっても癒しを求めて来られる方が多いのだが、飼育する環境整備や食と健康管理などそこで働く人達の視線、或いは動物も働いているという視線で見学するのも大変面白いものである。
 





でわ!