「棚田は日本のピラミッド」と云われているそうだ。

石積みによって築かれる棚田の造成作業は、

石工と数多くの労働力が必要らしく、

内成の場合も、およそ100年~150年の歳月を費やしたという。


そこまでして棚田を造った理由。

最上部に豊富な湧水地があり、気象変動に左右されない

安定した稲作が可能であったのではないかと推測している。

石城寺から湧く水は、水分石で別れ、

千枚以上の棚田へ注がれる。


「水無の滝」と呼ばれる小さな滝は

田植え時期には水が枯れているというトリビアも。

何度も足を運んだが、実話。


人口減による労働力不足は、兼業化も進む中で

稲作や棚田の保全にも大きく影響している。

最も早い田植えは、5月の連休中だった。

平日は高齢者が細々と行い

週末に子や孫が帰省して、家族総出で田に入る。

1ヶ月位かかると聞いていたが

6月中旬になっても、田植えが行われていた。

撮影スケジュールが少し、見えてきた。


水が張られた棚田に映る雲

田植えを終えた夕景は、壮観である。

そして、この景色に安堵感を覚える自分が

日本人なんだとあらためて気づかされる。


今年の夏は、8月に限ったわけでなく

晴天に恵まれなかった。

7月も終わる頃に臨んだ空撮と本撮影。

体感気温は40度を越していた。

日陰にいても汗が止まらない。

普段、街で働いている

5人のスタッフにとっては、地獄のような時間。

こんな日でも、田と向き合わねばならない

農家の皆さんは本当に辛抱強いんだと思った。

会うと爽やかな挨拶をしてくれるし。


空から見る棚田は、微笑んでいた。

風が吹くたびに笑う。

バスは乗ると大きな乗物だと思っていたが

内成を一所懸命に駆け抜ける姿、小さくて可愛い。

そして、快適。


ちっこいバス

どうぞ、ご覧くださいませ。


https://www.youtube.com/watch?v=PLe2-ZUB7zc



この物語を一緒に描いてくれた

安部さん、益田さんに感謝。

語らない語りで、物語ってくれた寛さんに感謝。


ありがとうございました。