８月１０日。
富良野のキャンプイベントが終わり、ヨッシーと別れる。

僕もそろそろお金がなくなってきたので、次のバイト先を探さなければ
ならない。

とりあえず、「ヒグマ」というライダーハウスに行けば、農業系の
バイトを紹介してもらえるという情報は得ていたので、

僕は「ヒグマ」に行くことにした。
すると、そこへ、ミーちゃんがやって来て、

僕ら「かおちゃん」「ショウちゃん」のコンビに向かって、

「これから函館に帰るんだけど、暇なら一緒に遊びにおいで。」

と言った。

ミーちゃんの家に泊めてくれて、晩御飯もご馳走してくれるという。
僕ら二人はその誘いに遠慮なく乗ることにした。

バイトはそのあとでも構わない。

とりあえず、記念撮影を終えると、僕たち３人は一路函館へ向かった。

富良野から函館までは、約４００キロの道のりだけど、僕は、
ミーちゃんの手料理が食べられて、暖かい布団に寝られることを
楽しみにしていたので、そんなに疲れはしなかった。

夕食をご馳走になった後、３人でカラオケボックスに行った。
函館まで来ているのに、函館の山も夜景もそっちのけでカラオケに
行くのだから、なんだか笑える。

もちろん、ショウちゃんは、昨夜、僕のテントで何があったのかなど
知るわけもなく、ミーちゃんと楽しそうにデュエットしていた。

翌日は、函館の街中をミーちゃんの車で案内されて周った。
彼女はこの時「無職」で、「ハローワーク」での面談の日が
近かったから、一時的に函館に帰ってきただけらしく、

まさか、この後も、「ヒグマ」で一緒にバイトをすることになる
とは、この時は思ってもいなかった。

バイクに乗っていないライダーのファッションセンスなんて、
こんなもの？？

ライダーとしてではなく、一般観光客として函館の街を歩くのは、
修学旅行以来のことだった。

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