"今の時代に読書をする意味は何か、第一に「思考体力をつけるため」、第二に「気づく力をつけるため」ー"



 BOOKOFFにて本書を手に取り、一瞬で私の心をつかんだ一文であった。

 仕事においても、時代の変化においても、その勢いは凄まじい。今までのやり方を覆されたり、常識を一変させてしまうことが沢山あることは、きっと私以外にも感じている方は多いことだろう。

 先行きがわからない時代を生きる今、不安と隣り合わせの中で進んでいかなければいけない。

 「本読んでたって人生にあんまり役立たなくね?」こんなことを言われることもある。

 しかし、この本を読んでみると改めて、不安と隣り合わせの今だからこそ本を読むことは必要だと実感することができた。

 読書をすることによって得られることは沢山ある。その中で、冒頭にある「思考体力をつける」。これはとても分かりやすい。

 では、「気づく力をつける」とはなんだろう。

 この問いの答えはぜひ、本書を読んでいただきたい。私は今回、気づく力以外にも「抽象化」、「自分の文脈」…本書に出てくる著者の言葉に対して自分なりに問いを立てながら読み進めていった。

 "本を手に取る時は、「自分の文脈」で選ぶ"
 "先行きのわからない時代を生きるからこそ必要になる「持続可能な教養」。これは、物事を「抽象化する思考」を鍛えること、そして次に「気づく」能力を磨くこと。"

 全て理解できたわけでもないし、この本を読んで何かが一変したわけではないが、自分が読書をするワケや、これからの自分に必要なものが何かを明確にするきっかけにもなった。

 本書は決して、読書法等を教えてくれるものではない。そこだけは理解しておいていただきたい。


参文

 忘れる読書  落合陽一