帰国生は空気を読めない?「高文脈文化」について第2回
こんにちは。
帰国子女受験コンサルタントのタバタです。
前回のブログ
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英検2級以上ホルダーの小学生と「高文脈文化」について考えてみる | 帰国子女の保護者を静かに応援する元塾講師タバタのブログ (ameblo.jp)
の続きです。
前回は、英語の入試問題を手掛かりに、
「文脈を読む」=「状況を読む」=「空気を読む」
ことについて生徒たちと議論しました。
改めて、「高文脈文化とは何か」、
とChatGPT先生に聞いてみますと、
以下のような答え。(ハイライト・赤文字はタバタによる)
高文脈文化(こうぶんみゃくぶんか、High-context culture)」とは、
コミュニケーションにおいて多くの情報が
言葉以外の要素に依存して伝達される文化のことです。
言葉そのものよりも、文脈、非言語的な要素、過去の経験、
共通の背景などが重要視されます。
高文脈文化では、暗黙の理解や共通の前提に基づくコミュニケーションが多いため、
言葉で詳細に説明しなくても意味が伝わることがよくあります。
代表的な高文脈文化の国としては、
日本、中国、韓国、アラブ諸国などが挙げられます。
これらの文化では、相手の表情、態度、社会的な地位、状況、背景などが
コミュニケーションの解釈において非常に重要です。
対照的に「低文脈文化(Low-context culture)」は、
コミュニケーションの多くが明確に言語で表現される文化で、
アメリカやドイツ、スイスなどが該当します。
(引用以上)
より詳しい説明は下記WIKIPEDIA先生の方もご覧ください!
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E3%83%BB%E4%BD%8E%E6%96%87%E8%84%88%E6%96%87%E5%8C%96
さて、今日も、タバタクラスのディスカッションをのぞいてみましょう。
(前回の続きです!)
===
タバタ「帰国生はさ、特に現地校やインターナショナルスクール出身の生徒はさ、
「空気が読めない」ってからかわれたりする傾向があるみたいなんだよね」
英検1級X君「オレ、去年から普通の公立小学校だけど、
かなり空気読めるようになってきたと思う!」
「へ~。
Xはアメリカの現地校にいるときも空気を読めって言われてたくらいだから、
スゲエ成長だな(笑)
日本に帰ってきたばかりの時は、どんなふうに読んでなかったの?」
X君「はい。授業中に先生に質問ばかりしてたら、
クラスメイトにドン引きされました!」
一同爆笑「あるある~」
「帰国生あるあるだよね。
先生もさ、もう40年くらい前だけど(笑)、
東京の竹早って高校に帰国生枠で入学したって話をしたじゃない。
でね、1年生が始まったばかりの時は、
Xみたいに、授業中は何度も質問して、
特に国語の授業ね、
授業後にチャイムが鳴った後にも
先生が、
「はい、質問はもうないですか」
っていうから毎日のように授業後に質問してたんだ。
そしたら、
5月くらいかな。
入学して1か月くらい経った時、
クラスメイトの一人が
「お前さあ、授業が終わった後の質問は職員室に行ってやれよ」
って言ってね。
「え?なんで」って聞いたら、
「みんなの休み時間が減るだろ」
だって。
いやー、びっくりした。あれは衝撃だったなあ。」
一同(笑)
英検準1級Yさん「それで、先生はそのあとどうしたんですか。」
「うん。休み時間って10分しかなくてね、
職員室は別の階で面倒くさいから、
教室を出た先生に廊下で追いついて、職員室に向かう間に質問してた(笑)
ウザい生徒だと思われてただろうな~」
一同(笑)
「さて、高文脈文化、High-context cultureの反対についても
説明しておこう。
高文脈文化の反対は?」
英検2級Z君「低文脈文化!」
「そのとおり。低文脈文化、Low-context cultureだね。
どんな文化かな?」
Yさん「空気を読まない文化!」
一同爆笑
「そう、そのとおり。
これはね、空気を読めない、というより、「読まない」ということだよ。
さっきも言ったけど、以心伝心ってあるでしょ。」
X君「テレパシー!」
「そう、テレパシー。
どうかな。テレパシーに頼ったコミュニケーションって、安心?不安?」
全員(笑いながら)「不安~」
「長年連れ添った夫婦や、仲の良い友人グループだったり
スポーツのチームとか会社のチームならいいけどね。
WIKIPEDIAにはこんなこと書いてあるよ。
文化人類学者エドワード・T・ホールによると、
高文脈文化のトップが日本で、低文脈文化のトップがドイツだそうです。
あれ、誰かドイツに住んでた人いる?」
シーン
「残念。ドイツからの帰国生はいろいろ面白い話が聞けるんだけどな~。
じゃ、先生が聞いたこの話をしよう。
これは、ドイツに限らず、イギリスとかでも起こりうるらしいんだけど、
あるオフィスに日本人が電話をかけた。
ネイティブではないその日本人が、電話を受けてくれた人に
スミスさんいらっしゃいますか、
という意味で、
Is Mr.Smith there?
みたいな聞き方をした。
そしたら、その電話を取った人は
「Yes, he is.はい、いますよ」と言って、
「それが何か?」みたいな空気が流れて
そこで会話が止まっちゃったらしい。」
一同爆笑
「こりゃだめだと気付いた日本人は
Oh, I’d like to speak to Mr.Smith.
と言って初めてスミスさんにつないでもらった。
はい、これ、高文脈?低文脈?」
全員「低文脈~」
「こういうことが、欧米では実際に起こっちゃうらしいんだよね。
先生は、いわゆる欧米人しかいないような職場では働いたことはないんだけど、
なんか、全然違う文化だよね!」
Yさん「あ!先生、思い出した!
私も、インターナショナルスクール時代に
教室で私一人で自習していたら、
オーストラリア人の先生が教室に入ってきながら
Is anybody here?
って言ったから、私は
Nobody is here.
って答えたんです。
そしたら、
You are here.
って笑いながら言われました。」
「お~!それはサイコーの例文!まさに低文脈文化だね!」
Yさん「でも、笑いながらだったから、
ちょっとした意地悪も入ってたと思う」
「それはありうるね。
ちなみに、YがNobody is here.誰もいません、って言ったから
先生に「君がいるじゃないか」って突っ込まれたわけだけど、
正確にはなんて答えればよかったのかな」
Z君「はい。Nobody else is here.」
「パーフェクト!そう、私のほかの人はいません、
って言えばよかったんだよね。
どう?Xはどう思った?」
X君「うーん、僕なら最初からJust me.って答えた気がする。」
「お!さすがX!
Zが言ったNobody elseも間違ってないけど、自然な会話としては
Just me.のほうが断然いいね!
はい、みんな拍手~」
一同拍手
X君「うへへ、ありがとうごぜえます。」
TO BE CONTINUED…
2024年10月1日
タバタヤスシ