グラン・トリノ
上映年度 2008年
監督/主演 クリント・イーストウッド
上映時間 117分
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朝鮮戦争の帰還兵ウォルト・コワルスキーはフォード社を退職し、妻も亡くなりマンネリ化した生活を送っている。彼の妻はウォルトに懺悔することを望んでいたが、頑固な彼は牧師の勧めも断る。そんな時、近所のアジア系移民のギャングがウォルトの隣に住むおとなしい少年タオにウォルトの所有する1972年製グラン・トリノを盗ませようとする。タオに銃を向けるウォルトだが、この出会いがこの二人のこれからの人生を変えていく…。
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私、こんな自己満DVD観賞日記を書いてるくせに
人の書いた映画のレビューとかほとんど見なくて、
あらすじも知らずに観るんです。
先入観とか、人の意見に左右されるのが嫌なので。
結構、周りに左右されやすいタイプなんで
で、この作品の『グラン・トリノ』が何かも知らずに観たんだけども・・・・・・
今年観た作品で一番好きです。
あ
グラン・トリノってのは1972年製のアメリカの車で
主人公がフォードで働いてたときに作った車
で
大事にしてる宝物なんです。
この映画、ジャンルで言うとヒューマンドラマなんだけど、
やっぱりイーストウッドなので社会問題もありつつ。
イーストウッド作品が苦手な人にも観てもらいたい
イーストウッドが苦手な人って、
きっとやるせないラスト
もやもやした、スッキリしないラストが嫌なんだと
私は勝手に決め付けてるんだけど、
それ以外の結末は考えられないからこそ私はイーストウッドが好きなんです。
必要性、必然性のない死は嫌いなんだけどねー
ストーリーは上に書いてある通りなんだけど、
イーストウッド演じるコワルスキーさん(勝手にウォルターと呼ぶと怒られるw)は
頑固というよりも偏屈なじーさんで
息子や孫達からも疎ましく思われる存在。
白人至上主義的で最初は嫌なやつ
って思ったんだけど、
映画を観てるうちに憎めないキャラクターで
どんどん好きに
馴染みの床屋さんとの軽口で汚い言葉を使う癖に
隣人の女の子スーには汚い言葉使うなとか言ってみたり。
牧師さんには童貞とか言ってみたり
そんなちょこちょこしたやりとりが笑えたりもしたんだけど、
結末を想像して中盤から涙がでてきた
全然泣けるシーンじゃないのに・・・。
なんかね~日本映画もこういう作品を作って欲しいね。
私が知らない、観てないだけかも知れないけど、
邦画で興行がいい、話題になるのは大抵流行りの俳優・女優が主演でしょ
10代、20代の人ばっかり。
予算でハリウッド映画には到底敵わないのに
アクション映画つくってもだめだと思うんですよ。
予算がないんだから良質のヒューマンドラマとか社会派ドラマがいいと思うんです。
たぶん日本の映画でつまんないのが多い理由は
芸能プロダクションがキャスティングに口出ししてるからだと思うんです。
地位を確立してる監督の作品だと、
監督やプロデューサーがキャスティングしてるっぽいけど。
人気女優が主演なら、共演者でその事務所の人間をバーターで大量投入。
ドラマもまた然り。
なんかいっつも同じ顔ぶれの時とかあるもん
若い役者さんでも演技力のあるかたはたくさんいるんだろうけど、
日本でも40歳以上の役者さんが主役の作品がもっとあってもいーと思う。
イーストウッドなんて79歳だよ。
女優さんはしわやらなんやらがスクリーンに映るのが嫌で
舞台しかやらなくなったりするらしいけどもったいないよ。
その年齢じゃないと演じることができない役だってたくさんあるはずなのに。
昨年の日本アカデミー賞、最優秀男優賞は本木雅弘さん(43歳)、
女優賞は木村多江さん(38歳)、
助演男優賞は山崎努さん(72歳)、
助演女優賞は余貴美子さん(53歳)、
みんな、大ベテラン

そういう役者さんが出演する映画が観たいです。
日本人はロリコンが多いってのはよく言うけど、
実際ロリコン・ショタコン多すぎでしょ。
だから、あんな映画ばっかりなんです。きっと。
って、脱線し過ぎたけどグラン・トリノの話に戻ります
ここからネタバレありー
映画観てない人は観ないでね!
イーストウッド映画、最後はやっぱりというか主人公が亡くなってしまうんだけど、
私はそれ以外の選択肢はきっとなかったと思う。
映画観終わって、ヤフーのレビュー読んだんだけど、
『残された人間はどうすんだ』とか
『老人の自己満足』とか書いてる人がいたんだけど、
この場合それ以外のいい選択肢はないでしょ
タオの姉をレイプしたギャングはタオと同じモン族で
もしタオが姉をレイプしたヤツらを殺してたなら
ギャングとは言えども同じ民族同士で殺しあったタオの家族はそれこそ村八分状態になるだろうし、
生き残ったギャングの一味にひどい目にあわされるのは目に見えてる。
だからこそ、ウォルターは丸腰で行って相手に銃を持ってると思わせ殺されるって結末を選んだんでしょ。
自分が戦争で人を殺したことをずっと引きずっていて、
タオに同じ思いをさせたくなかったに違いないし。
自分の命があと少しだから自暴自棄になったわけではなく、
堅物で友人もあまりいない、
家族とも疎遠だった彼にとって、大事な友人だったんだと思う。
だからこそ、自分の分身『グラン・トリノ』を残したんだろう。
この映画、秀逸です。
イーストウッドが俳優業をこの作品を最後にするかもしれないと思うと残念すぎます。
ただ、監督業の方も楽しみにしてます。
次回作は必ず劇場で観ます。