読書…映画…美術展…漫画…おでかけ(t-yamaniのブログ)

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読んだ本や観た映画、訪れた美術展、場所なんかを雑多に書いていこうかな…と思っています。

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映画「ヒトラーのための虐殺会議」を観てきました。

 

第二次大戦中にナチスがユダヤ人の絶滅を最終目標とした虐殺計画についての実際に行われた ヴァンゼー会議 を映画にしたものです。

官僚や軍人、様々な立場の高官たちはユダヤ人問題に対し、それぞれの立場での思惑をもって会議に参加します。一枚岩ではないので当然会議は難航します。会議を主催した長官も会議の難航は想定内、少しずつ外堀を埋めるように各高官たちの危惧を解消しメンツをたてて、彼の思惑通りに事を進めていきます。そして、わずか90分でユダヤ人絶滅に向けての計画が満場一致で決定してしまいます。

 

恐ろしいのは誰一人として、ユダヤ人を絶滅させることには当たり前のように反対しないことです。高官たちは会議中に様々な反対意見を言ったりしますが、あくまで人道的な見地からではなく、自分たちのメンツを守り管轄を侵されないようにしたいだけなのです。それが解消されれば皆なにも文句は言わなくなってしまいます。

一つの民族の絶滅計画について話しているにもかかわらず、まるで普通のビジネスの会議のようにことが進んでいきます。ことが淡々と進めば進むほど、彼らの残虐性が際立つ映画でした。

 

2022年/112分/ドイツ

監督 マッティ・ゲショネック