金曜電信 vol.93【タロット月2】 | toeの占星術的視点

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私は1999から西洋占星術に関わっています。リーディングでは、その経験の中で見えてきた各テキストの解釈の裏にある共通点のようなものを大切にしています。このブログでは、その視点による占星術の記事を紹介していきます。



【タロット月2】


では、月の絵柄『顔がある月から指す月光、または月の雫が垂れる地表に2匹の野犬と水中に潜むザリガニがいる、遠くには塔が聳え立つ』を読み解いて、ヘリオ水星の意味を掘り下げてみましょう。


中国の陰陽思想では全ての事象を陽と陰に分けます。【魂魄】は魂気を陽とし、魄気は陰となります。そして事象の中で特にその現れが大きい気を示して【太陽】と呼ぶのです。その対をなす『太陰』とは【月】を表す言葉となります。


つまり月は『肉体と結びついた心である魄気』と繋がっていると考えられてきた訳です。


その月明り、または雫は地表に降り洒ぎ、夜の闇に隠されたモノ達を暴いていきます。月に顔が描かれているのは、月の穴から内面の闇を覘いているというイメージを表しています。


カードが描く夜の世界は、心の闇の世界です。そこでは崩れ落ちたはずの【塔】が聳え立っています。塔は既存価値の象徴です、全てを破壊することはできませんし、必要はないのです。一番自分が依存していた塔の破壊が重要なのです。しかし闇の世界に残された塔が、依存度の高い塔へと復権する可能性はあります。闇を覘くことは塔へと再び立て籠もらないための監視なのです。


ちなみに既存価値とは『自分の中にいる他者』のことを指します。つまり塔の中には他者が巣食うのです。


野犬とザリガニは魄気にこびりつく人間の中に潜む野生の残滓です、これは快や不快のみに囚われ情動に振り回される心理を表しています。これも知性による監視がなくては、未来のビジョンの実現といった変化への意識を風化させていきます。


陰鬱で不安と恐怖が潜む闇の世界ですが、知性の光をもってすれば、変化を拒む呪縛的な力と立ち向かうことができます。無知が最も恐怖心を煽ります、恐怖が未来へと向かう心を竦ませるのです。


この解釈からヘリオ水星の『内面に向き合い、不安や恐怖が有りもしない幻想であることを知性の光をもって知る』ことの役割が分かるのです。





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