自分が二十代の頃

年に一回、職場に献血のバスがやってきて希望者は献血をするのですが、自分はまだ献血の経験が一回もなく、同僚からも「やってみれば？」と言われたので、あまり気は進まなかったけれど、初挑戦することに！

バイタルを計り問診票に記入し、最後に直接先生の問診がありました。

そして問診終わりに先生が、「君、本当に大丈夫かい？」って聞いてきたんです

自分は「何のこっちゃ？」と思いましたが、特に体調も普段と変わりないので「ハイ、大丈夫です！」と即答しました

まさかこの先生の問いかけが重要な意味を成してるとは知らず…

初体験なのでドキドキしながら待っていると自分の番がきたので、バスに乗りベットの上に仰向けになって、右腕に針を刺し採血が始まりました！

心の中で「この自分の血液が誰かを助けるんだな～」と浸っていると、気のせいだか少し気分が悪くなってきた

いや、気のせいではない

マジで吐き気がしてきた

「うわ～　なんか吐きそう」

そう思っていると看護師さんが異変をキャッチしたらしく、「気分悪いですか？」と聞いてきたので、「ハイ、気持ち悪いです」と答えると、直ぐに腕から針を抜きベットの足側を持ち上げてくれました

と、同時くらいに周りの音がフェードアウトしていき、目の前の視界が白っぽくなっていく

「あ～　出血多量で亡くなる人って、こういう感じなんだろうな～　自分もこのまま死んでしまうのだろうか？」

途切れそうだった意識が、なんとか回復してきた

しかし、ここで安堵感からか、肛門が緩み、不覚にも物凄い臭い屁をかましてしまいました

しかも狭いバスの中なので、かなり臭いが充満しちゃっているし、看護師さんたちも絶対に気づいているはず

看護師さんが悪臭に耐えながら？「状態が回復するまで、このまま横になって安静にしていて下さい」と言ってくれましたが、屁をこいた気まずさから早くここを出たいという思いが強い

そして、しばらく横になっていたら回復してきたのでバスから降りることに！

後で聞いたのですが、その時の自分の顔色は顔面蒼白の唇は紫色で、死人の様な顔だったそうな

最後に問診をしてくれた先生が、問診の最後に「君、本当に大丈夫かい？」って聞いたのは、顔色が見るからに悪かったので、念のために確認をとったのだと教えてくれました。

自分ではその体調が日常化していて、わからなかったのかもしれません。

この日以来、当然献血はしていません

献血のほろ苦い思い出