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自然エネルギー研究会代表 橘民義オフィシャルブログ


10回もブログを書いたので、いい加減に本丸に入って行かないとあまりにも間の抜けた文章を読んでいただくのでは申し訳ないということで、今日から少しエネルギーの話に入って行きます。



昨年の原発事故以来、山ほど出版された本をかなり読み漁っているのですが、その中で非常に落ち着いていてしかも現場のリアリティーがあり説得力があると言う意味でイチオシなのは田坂広志さんの

「官邸から見た原発事故の真実」(光文社新書)という本です。



田坂さんがどんな方かは、しばしばテレビにも出演されているし著書も多いので説明は省かせていただきます。ただ原発事故直後に内閣官房参与として事故への対策に全精力を使われた方と言うことと、原子力の専門化として核廃棄物処理などを中心に研究を重ねて来られたという事だけは前提にさせていただきます。




「福島第一は、本当はどこまで深刻な事態に陥っていたのか?」、

「冷温停止状態の年内達成で一段落なのか」、

「汚染水処理の順調な進捗で問題解決なのか?」、

「SPEEDIの活用はなぜ遅れたのか」、

「浜岡原発はなぜ停止要請をしなければいけなかったのか」、

「玄海原発の再稼働はなぜ安易に認めてはいけないのか」、・・・。



そんなことは全部知っているよ,と言わずにまあ明日からの連載にお付き合いください。

少し違う方向で考えられるかもしれません、そして今までメディアで言われていたことと違う部分も見つかるかもしれません。  (橘 民義)



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確か2004年だったと思います。

そのころ私は上海に住んでいました。

周囲が中国語の中で毎日生活していると急に日本語の本が読みたくなり、東京に帰った時に夏目漱石の文庫本を全部買って来て一気に読みました。

きっと高校生の時に読んで以来だと思います。漱石の作品がその後の日本文学に大きな影響を与えた事は誰しも認めるところでしょうが、その当時の科学を見る目もまた先見性に富むものでした。



阿蘇で風車と野焼きを見た後、私は熊本市内の夏目漱石の旧家を訪れました。

橘民義オフィシャルブログ 熊本と言う街は縁の遠いところでしたが、昨年仕事で一回行ってからなぜか好きな街になってしまいました。

 漱石は松山から熊本に来て阿蘇登山をしてそれが「二百十日」の下地になっています。

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その漱石は「行人」の中で自然科学に多くふれています。





「人間の不安は科学の発展から来る。進んで止まる事を知らない科学は、かつて我々に止まることを許して呉れた事がない。」





漱石は科学の進歩を大切に思いながら、何か新しい世の中に不安と憂鬱を感じていたのだろうと思います。福島の事故までは、あるいは原子力発電までは予測は不可能な時代だったかもしれませんが、科学をうのみにしないと言う直感は優れていたと言わざるを得ません。

また「三四郎」でも、日露戦争に勝って喜ぶ三四郎に、「日本は滅ぶね」と言っています。
 良く言われることに「電力」と言う言葉は夏目漱石の造語だという説があります。

ええ、風車は本当に好きだったのかって?

そんな訳ないでしょう。(橘 民義)




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今日は3.11。
被災地をはじめ各地で多くの行事が行われました。「追悼式」、灯篭流し、あるいは除染活動。また海外からもいろんなニュースが入っています。


あなたは何をして過ごしましたか?
1.追悼式典に参加した。
2. 反原発の集会に行ってデモ行進をした。
3.いつもの日曜日と同じように過ごした。
4.3.11であることを忘れていた。


橘民義オフィシャルブログ-阿蘇にしはらウインドファーム1 私の場合は熊本県西原村にある「阿蘇にしはらウインドファーム」という風力発電の視察に行きました。西原村の日置村長さんが迎えてくださり、お話を伺うことが出来たのは大きな収穫です。風車ができて観光客も増え、ふもとの「萌えの里」という西原村が経営している道の駅のような地元の農産物などを売っている休憩所は、4億円以上の売り上げになって潤っているそうです。寒くて風の強い中、風車は気持ちよく回り続けました。風車の風を切る音も機械音もて低周波音も500メートル以上離れるとまず問題ないと言うことですが、ここではその何倍も離れています。

橘民義オフィシャルブログ-阿蘇にしはらウインドファーム2 ここの風車は羽根の部分の回転する直径が60メートルで、それが10機あります。全部で出力は17,500kwですから原発一基の50分の一くらいしかありませんが、全部九州電力が買い取っています。








橘民義オフィシャルブログ-阿蘇の野焼き1 帰りに超大型の阿蘇の野焼きを見ることが出来ました。昔から人の知恵で山を守ってきたのです。

風車と野焼き・・・。阿蘇を吹き抜く春の風が、両方にさわやかな力を与えています。自然のエネルギーが。

(橘 民義)





橘民義オフィシャルブログ-阿蘇の野焼き2







橘民義オフィシャルブログ-ポルツカイザー間欠泉 ニュージーランド最後の話題は地熱発電。
北島のロトルアという人口7万人くらいの町に世界3大間欠泉の一つ「ボフツカイザー間欠泉」が有ります。
まるで地底に爆弾を仕掛けているような威力で温水が吹きあがり続け訪れる人を驚かせます。
ニュージーランドにある3か所の地熱発電所は全部この町の郊外に集中していて、その地熱発電はニュージーランドの発電量の20%近くを占めています。政府は地熱発電に力を入れる方針で、2025年には再生可能エネルギーを90%にするという方針はこの国なら実現可能なような気がします。


実は日本の地熱発電の技術は世界でもトップクラスに位置しています。国内では適地が国立公園だったり、温泉宿泊地だったりして開発はほとんど進んでいませんが、海外からの評価は非常に高く、まったくもって「勿体ない」の代表です。知恵をしぼって温泉地とお互いにウイン‐ウインの関係は築くことがこれからの重要課題でしょう。


ニュージーランドは確かに人口も少なく農業国で、オークランド以外はほとんど小さな町です。クライストチャーチは昨年の地震で多くの日本人も犠牲になり、観光もそれからはほとんどなく、旅の一行も飛行機が着いたらすぐそのまま次に行ってしますようになりました。
しかし国民は冒険好きでエベレストに初登頂したヒラリー卿は有名ですが、あまり伝わっていないこととしてバンジージャンプの発祥地もニューランドです。

ヨットのアメリカンカップの連覇も知る人には大きな快挙です。



橘民義オフィシャルブログ-マオイ族の家 過去に原住民マオイの人と戦った歴史を乗り越えて今は平和な国家を造り上げています。日本は極東の平和問題を抱えながら、そのうえ同時にエネルギーといういつも戦争の火種となる問題を抱えています。化石燃料の輸入に依存しないことは平和を保つことという意味でも大切です。日本の地熱の持つポテンシャルを多くの国民が見直してみるのは今です.。(橘 民義)


橘民義オフィシャルブログ-エネルギー自給国をめざしてPic2 ニュージーランドに原子力発電所はありません。水力で70%弱をまかなっています。

マウントクック国立公園では看板を立ててはいけない、電線は地下に、意味のない音はダメ、動植物の持ち込み持ち帰りは当然罰則があり、自動 販売機、茶店などもありません。

このようにして自然を守るのでいつまでたっても世界遺産として十分誇れるのだろうと思います。

ところが富士山は5合目まで行くと看板、ゴミ、騒音、土産屋さんなどであふれていま す。日本人とて自然は好きだし守りたいのになぜか許せる範囲が大きく違います。

この感覚の違いはどこから来るのでしょうか。


私は商業主義という一言で何かを否定することは好みません。多くの人が商業やビジネスで活きているので、それを否定することは自分たちの生 きざまを否定することになるでしょう。

ニュージーランドもゴールドラッシュの時は内外から最大7000人が集結して、皆一攫千金を狙いました。

しかし、今は400万人の人口に5000万頭の羊がいるというのんびりした国になっています。車窓からの 風景はどこまでもゆっくりしています。

そんな国に原発は必要ないし、風車さえ必要ないかもしれません。



橘民義オフィシャルブログ-エネルギー自給国をめざしてPic1 かたや日本は同じような島国に1億3000万人が住んで世界で2~3番を争うような経済中心の国になっています。今日の現実がそこに 大きく立ちはだかっています。もうそんなに成長などしなくても良いじゃないかという訳にも行きません。国民の毎日の生活がぎりぎりのとこ ろに来ています。


ぎりぎりのところまで来ているその瞬間に昨年の東日本大震災があり原発事故があり、私たちはどこまで凌いで行けるかという窮地に立たされて います。

頑張ろうとか、絆があればとかそんなきれいごとでは解決できません。少なくともエネルギー自給率をかなり高めないとこの国のすぐ近い将来に 危機が来ることは容易に想像できます。

まず原発をなくしていけるだけの規模の自然エネルギーを大至急導入いなければならないのは誰の目にも明らかです。(橘 民義)








橘民義オフィシャルブログ-NZマウントクックの氷河Pic2 そもそも「自然」というさわやかな漢字と「エネルギー」という理科系なカタカナがマッチするのでしょうか。
「自然エネルギー研究会」の最初のテーマにすると言うほどの事ではありませんが、こんなことが気になるのは私だけかもしれません。
とはいえ法律用語の通りに「再生可能エネルギー」となるともっと面白くないですね。


 今、ニュージーランドに来ています。マウント・クックの麓の氷河に手を触れて冷たさに驚いていますが、大自然の中で直接感じることは、その どうしようもない強さです。雄大さです。雪が山の上で堆積して氷となり、それが大地を削り河となっていくことこそ本当の「自然のエネルギー」 なのでしょう。


その自然の大きさのごく一部を使わせていただいて私たちは風力とか太陽光などで電気を起こすというのですが、本当にそれで良いのかとい う声もときどき聞こえています。




橘民義オフィシャルブログ-NZマウントクックの氷河Pic1  ある本に、風力発電の風車を伊豆の山の中に造って、低周波音が騒音として有害だとか、造った手続きが強引だとか、うまくいかないとい うことを一所懸命書かれていました。これはただ造る場所を間違えただけで風力発電がまずいという説明になっていません。
 いま福島県沖で洋上風力発電を実験的に計画していますが、デンマークに私が今年1月に行った時には洋上風力発電はかなりの存在感を持っ ていました。


 そうです。私たちはエネルギーを使う仕組みをすでに作ってしまったのです。そのことを忘れて原始時代のような生活や、あるいは江戸時代のよ うに電気などないという環境に返るというのは困難です。生活をするだけという立場で考えれば、ごく一部の人だけが可能かもしれません。それも かなりのごく一部の人です。


 しかし、多くの人は生活者であり消費者であると同時に生産者でもあるわけです。
自然にお願いをしてエネルギーを借りて発電をしなければ日本だけではなく世界中が成り立ちません。
 いきなり本題に入ったようですが、自然エネルギーをいかにして有効に利用するかが私たちの将来を決定します。
 原発を止めて化石燃料をなるべく使わないようにすることこそ一番大切です。

(橘 民義)



ええっと。困ったなあ。
言いたいことは山ほどあり、思いはいっぱい巡るのですが、いざ書くとなると何から書こうかと迷い前に進みません。ブログなど書くことにしなければ良かったのにと後悔してももう遅い。
FaceBookじゃああるまいし、おいしいラーメン食べたと言って写真のせて終わりと言う訳にもいかないし、週刊誌のように政治家や公務員の批判ばっかりしていても面白くない。さりとて歴史を紐解くのも旅行記も・・。


後日、自分で読んで後悔しないように本当の気持ちを書きたいと思うのですが、果たしてそれがうまくできるのでしょうか。
とにかく「自然エネルギー」のことを書きます。そうすると「ぐるりの事」がくっついてくるという流れにします。
まあ、暇で困っている人は付き合って読んでいただけますか。
きっと退屈させないようにいたしますから。


橘 民義