写真に写った自分の笑顔が、なんだかうまく好きになれない。
笑ってるけど、うまく笑えてない気がする。
小学生の頃、クラスの中で僕は“いない存在”だった。
名前も呼ばれないし、話しかけられることもない透明人間。
ある日の「笑顔が気持ち悪い」って、
誰かの声が、まだ残ってる。
その時の言葉も空気も、ちゃんと覚えてる。
傷つくって、そういうことだ。
記憶の片隅でずっと膝を抱えて座ってる。
それから鏡の前で、自分の顔を確認する癖がついた。
頬の盛り上がり、歯並び。
そのときから、“変なところ”探しが始まったのかもしれない。
写真を見ても、やっぱり同じ。
笑っていても、まず欠点を見つけにいく。
「ほらね」って、ちょっと自分を突き放す。
たぶん、今の顔が嫌いなんじゃない。
そこに、あの頃の気持ちが張りついてるだけ。
写真がその感情を思い出させてしまうだけ。
見ているのは“今”のはずなのに、
目線だけが、まだ“あの頃”に置いてけぼりになってる。
だから、写真に写った自分の顔を見ているようで、見ていない。
自分をまっすぐ見るって、案外むずかしい。
この思いは、ちゃんと幸せに向かう途中に出てきた、ちょっとした課題なんだろうと思う。