日本人の死因の2位と3位を占める心臓病と脳卒中の背景には「動脈硬化」があります。

 

日本の国立健康・栄養研究所などの研究で、成人526人(男性178人、女性348人)を調べた結果、どの年齢層でも柔軟性が低くて体が硬い人ほど、、*脈波伝播速度(PWV)が早くなっていました。

 

とくに40歳以降では、体が硬いほど脈波伝播速度が速くて、動脈硬化の進行が深刻だと示唆されています。

*脈波伝播速度:動脈硬化の進み具合を示す指標の一つ。血管が細く硬く、血管壁が厚いほど早くなる

その刺激(ずり応力)が血管の細胞を活性化すると、そこから分泌される一酸化窒素が増えてくるのです。


実施しやすいタイミングでストレッチングを実践しましょう。

 

短いですが…

ホルモン焼きのホルモンは豚や牛などの腸を主体とする内臓肉(モツ)のこと。

ホルモン焼きのホルモンの語源については、さまざまな説があるが、有名な説では、大阪弁で捨てるもののことを「放るもん」と言ったことからきているという説だ。しかし、これは間違いらしい。

日本食肉協議会の資料によれば、戦前にはスッポン料理などのスタミナ料理をホルモン料理と呼んでいた。このため、内臓などの栄養が豊富な食材に対して、活力がアップするという意味で、本来の医学用語であるホルモンから名付けられたという説が有力とのことだ。

 

では、医学用語のホルモンについてまとめていく。

 

ホルモンとは体内でつくられ、ある特定の器官に対して情報を伝達したり、作用を及ぼす化学物質のこと。

ホルモンを作る細胞→内分泌細胞

内分泌細胞が集まったもの→内分泌器官

内分泌器官→精巣、卵巣、膵臓、副腎、甲状腺、視床下部、下垂体など

内分泌器官→血液中に分泌→器官や臓器に命令を与える、作用を及ぼす。

 

それぞれのホルモンは必要な時に、必要な分だけ、必要な組織に対してのみ作用し、生命活動を正常に機能させる。

 

代表的なホルモンだけでも既に70種類以上発見されている。(男性の精巣から分泌される男性ホルモンのアンドロゲン、女性の卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲン、膵臓から放出されるインスリンなど)

 

アドレナリンや成長ホルモン、甲状腺ホルモン、ヒスタミンや脳内ホルモンと呼ばれる神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどもホルモンの一種である。

 

ちなみにホルモンの語源は、ギリシャ語で「刺激するもの」「呼び覚ますもの」を意味する「ホルマオ」からきている。

 

内分分泌腺から直接、毛細血管へ分泌されるのに対し、消化液や唾液、汗、母乳などのように分泌細胞でつくられたものが導管を通して細胞の外(消化器官の内側表面や身体表面)に分泌されるのを外分泌という。

 

ホルモン→体内で合成できる。食べ物として摂取しても働かない。

ビタミン→体内で合成できない。食べ物として摂取して働く。

ビタミンD→両方に含まれる。

 

子供の睡眠不足は増え続けるADHDとの関連も指摘されている。ADHDと診断された子供は落ち着きが無く、気分の変化が大きく、気が散りやすい。集中するのが困難でうつ病や希死念慮(死にたいという願望を持ってしまう)のリスクが高くなる。希死念慮→きしねんりょ

 

この症状だけをみて、ADHDという病名がついていなかったら寝不足の症状と全く同じだという事に気が付く。

 

寝不足の子供を病院に連れていき、寝不足のことを知らせずに症状だけを説明したら医師は間違いなくADHDと診断し、その薬を処方するはずだ。

 

ADHDの薬はアデラルとリタリンだ。

アデラルはアンフェタミン塩という覚せい剤からできていて、リタリンはメチルフェニデートという同じような興奮作用をもつ成分でできている。

もしADHDと診断された子供が寝不足だったとしたら、もっとも処方されてはいけない薬だろう。

 

ADHDと診断される子供全てが寝不足だと主張している訳ではなく、睡眠不足、または、何らかの睡眠障害でありながらADHDと診断されている子供は数多く存在するようだ。

 

隠れた睡眠障害の一つに、小児の睡眠時無呼吸症候群があげられる。大きないびきをかくことが特徴だ。睡眠中に呼吸筋が弛緩すると、肥大したアデノイド(鼻とのどの間にあるリンパ組織)や扁桃腺が気道をふさいでしまう。

その結果、酸素が十分に行きわたらず、子供は呼吸を回復するために、夜中に何度も目を覚まし、貴重な深いノンレム睡眠が阻害される。

これによる睡眠不足が毎晩起こり、それが数か月、数年と続くことになる。

 

慢性的な睡眠不足の状態が長く続くと、気性、認知力、情動、学業成績などの面でさらにADHDの症状に酷似してくる。

 

幸運にも睡眠障害と正しく診断され、扁桃腺を切除する手術を受けた子供はたいていADHDではなかったことが証明される。

 

国立睡眠財団が最近行った調査によると、70%の親が自分の子供は十分な睡眠をとっていると信じている。しかし、現実は、11~18歳の子供で十分な睡眠をとっているのは、25%以下だ。

 

眠りたがる子供を無理やり起こし、怠け者と言い、学校に合わせて早起きするために奪われている睡眠時間を取り戻すために、週末くらいは好きに寝ようとするが、親はそれさえも許さない。

 

睡眠を軽視する考え方が変わることを願っている。

 

睡眠こそ最強の解決策である 

マシューウォーカー より

夜の睡眠が8時間より短くなる、特に6時間を切るようになるとさまざまな問題が生じる。

 

肉体が疲労するまでの時間が10~30%短くなる

心肺機能が著しく低下する

 

四肢を伸ばす力と垂直飛びの高さも低下する

筋力のピークが下がり、維持する力も下がる

心血管、代謝、呼吸機能も低下し筋肉に乳酸が溜まるのも早くなる

血中酸素飽和度が下がる

血中の二酸化炭素が増える

運動時に汗をかいて体を冷やす体温調整も悪くなる

 

↓NBA選手のパフォーマンス(アンドレ・イグダーラ)

☆8時間以上の睡眠をとった場合

プレー時間は12%上昇

1分あたりのポイントは29%上昇

スリーポイントシュートの確率は2%上昇

フリースローの確率は9%上昇

 

☆8時間以下だった場合

ターンオーバーは37%増加

ファール数は45%増加

 

私たちはぷろスポーツ選手ではない人がほとんだが、日々新しいスキルを学んでいる。

新しい動きを体に覚えさせるにはノンレム睡眠の力を借りる必要がある。

 

人間がもっとも運動スキルを習得するのは生まれてから数年の間だ。この時期にヒトは初めて立ち上がり、歩くことを覚える。ハイハイから歩行に移行する時期の睡眠を観察すると、ステージ2のノンレム睡眠と、睡眠紡錘波が飛躍的に増えている。

小さな子供が早く寝てしまう理由は、概日リズムのスケジュールが大人よりも早いことが影響している。

9歳時の概日リズムであれば、21時ころにメラトニンの分泌量が増えて眠くなる

しかし、16歳ころになると、21時ころになってもメラトニンが増えないので眠くならない。22時ころになると大人はメラトニンが増えて眠くなるが16歳ころの子供はまだ眠たくはならない。

 

16歳の子供に22時に寝ろというのは、大人にとって19時や20時に寝るのと同じことだ。

 

ちなみに、16歳ころの思春期を迎えた子供にとって朝の7時に起きるということは、4時起きか5時起きと同じことになる。

 

生物学的な観点から考えると、学校が始まる時間は速すぎて、部活の朝練をするよりもその時間はぐっすり眠っていた方が脳の成長にとっては効率がいい。

 

寝不足による脳の発達異常や精神病のリスクを考えると夜更かしで朝寝坊のほうがよっぽど良い。

 

20代の初めになってくると、深いノンレム睡眠が安定するが、長くは続かない。レム睡眠は中年期になってもずっと安定しているが、ノンレム睡眠の減少は、20代の終わりから30代の初めですでに始まる。

 

40代になると、ノンレム睡眠中に発生する電気の質も量も低下する。40代の半ばから終わりになると10代のころに比べて、深い眠りが60~70%も減少し、70歳になるころには、80~90%も減少する。

 

これにより、健康の悪化にもつながるが、患者側は睡眠と健康を結びつけることが出来ない(気が付いていない)ため、睡眠の問題は放置されてしまう。

また、膀胱が弱くなり、夜中に何度も起きてしまうなど、睡眠が細切れになることも加齢による睡眠の質を下げる要因になる。

 

睡眠が細切れになるということは、寝床で横になるのは8時間でも4時間しか寝ていなければ睡眠効率は50%にしかならない。

健康な元気な子供なら睡眠効率は95%であり、質のいい睡眠の一つの判定基準が睡眠効率90%以上になる。

 

睡眠効率が低いほど死亡率が高くなるため軽く扱っていい問題ではない。

病気やうつ病のリスクが高く、認知力が低く、物忘れも多い、年代に関係なく睡眠効率が低い人はこういった症状を訴える。

 

また、高齢者になるほどメラトニンの分泌時間が早くなるため、夜眠る時間も早くなる。これは本人の意思ではどうにもならない。

 

高齢者が夜の早い時間に居眠りをしてしまうと、せっかく溜まったアデノシンを一掃してしまうため(アデノシンが蓄積することと概日リズムの影響で眠くなるのだが、)睡眠圧が高くならないので早い時間に眠くならない。しかし、概日リズムの影響で早く目覚めてしまい、睡眠負債が溜まっていく。

 

早い時間の居眠り→アデノシンが一掃され眠くならなくなる→寝る時間が遅いのに概日リズムの影響で早く目が覚める→睡眠不足

のサイクルにはまっていく。

ハムストリングスは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋からなる

大腿二頭筋

A 大腿二頭筋、上の写真の右、外側に位置する

起始:長頭→坐骨結節、坐骨結節靱帯(半腱様筋の起始と合体して総頭となる)

   :短頭→大腿骨中央部1/3における粗線の外側唇

停止:腓骨頭

作用:股関節(長頭):内転、伸展、矢状面上での骨盤の安定

   :膝関節(筋全体):屈曲と外旋

神経支配:腓骨神経、L5-S2(長頭)

      :総腓骨神経L5-S2(短頭)

 

 

B 半膜様筋

起始:坐骨結節

停止:脛骨内側顆、斜膝下靱帯、膝窩筋の筋膜(深鵞足)

作用:股関節:内転、伸展、矢状面上での骨盤の安定

   :膝関節:屈曲と内旋

神経支配:脛骨神経(L5-S2)

 

C 半腱様筋

起始:坐骨結節と坐骨結節靱帯(大腿二頭筋の長頭の起始と合体して総頭となる)

停止:脛骨粗面内側に鵞足(浅鵞足)となり付着(薄筋および縫工筋の停止腱と合体)

作用:股関節:内転、伸展、矢状面上での骨盤の安定

   :膝関節:屈曲と内旋

神経支配:脛骨神経(L5-S2)

 

D 膝窩筋(ハムじゃないよ)

起始:大腿骨の外側顆、外側半月の後方

停止:脛骨の後面(ヒラメ筋の起始の上方)

作用:膝関節における屈曲と内旋(膝関節の安定)

神経支配:脛骨神経(L5-S2)

 

ハムストリングスの起始は坐骨結節にある。

大腿二頭筋の短頭を除いて二関節筋であり、股関節の伸展と膝関節の屈曲を行う。

股関節が伸展位にある場合、ハムストリングスは強く収縮できないため、膝関節を最大限に屈曲することが出来ない。

股関節伸展時に腸骨大腿靭帯が股関節の過伸展を防ぐ。

ハムストリングスが股関節の過度な屈曲を防ぐ。

 

慢性的に骨盤が後傾位にある場合、ハムストリングスの柔軟性が低下している可能性が高くなる。

ハムストリングスの柔軟性が低下することで、坐骨結節が引っ張られる。

その場合、

脊柱起立筋群の筋力低下、臀部の筋力低下、腸腰筋の筋力低下、などが起こりやすくなる。

 

随時更新

 

お腹の中にいる赤ちゃんはたいてい眠っている。24時間のうちノンレム睡眠とレム睡眠が6時間ずつ、残りの12時間はノンレムともレムとも言えない中間の眠りだ。胎児が目を覚ます(覚醒)のような状態を経験するのは、妊娠期間の3分の2を過ぎてからである。

 

しかし、それでも起きている時間は1日2~3時間程度しかない。

 

お腹の赤ちゃんに音楽を聞かせたり、話しかけたりするが、赤ちゃんはぐっすり眠っているため残念ながらほとんど聞こえていないようだ。

 

妊娠後期になると、トータルの睡眠時間は減ってくるが、それに逆行するようにレム睡眠だけは爆発的に長くなる。妊娠の最後の2週間になると、胎児のレム睡眠は1日に9時間近くにもなる。そして最終週になるとレム睡眠は生涯最長となる1日12時間にもなる。

 

脳の発達は、妊娠の3分の1をすぎてから急ピッチで進んでいく。(レム睡眠が爆発的に増える時期と一致する

胎児の脳はレム睡眠という電気刺激を養分にし成長していく。レム睡眠時に発生する活発な電気信号により、脳内の神経の通り道が次々と繋がれていく。(シナプス形成

 

このレム睡眠時の脳の形成は、全ての哺乳類に共通している

 

生まれる直前から生まれた直後までの時期は、脳の発達がもっとも活発になる。

 

この時期の赤ちゃんからレム睡眠をうばうとどうなるのか。

前回のブログの自閉症スペクトラムがそのうちの一つの可能性がある。

 

そしてもう一つが今日のテーマであるアルコールだ。

アルコールは現在分かっているかぎり、もっとも手強いレム睡眠の敵だ

母親が摂取したアルコールは、胎盤を簡単に通過して胎児にまで届く。

 

母親が妊娠中にアルコール依存症だった、または大量にアルコールを摂取したというケースをみてみる。

(方法は出産直後から新生児の頭部に電極をつなぎ、脳波を観察する。)

 

妊娠中に大量のアルコールを摂取した母親から生まれた子供は、妊娠中に飲酒しなかった母親から生まれた同世代の子供に比べてレム睡眠の時間がかなり短くなっていた。そして、レム睡眠中に発生する電気の質にも違いがあった。

レム睡眠中は脳波が不規則に激しく動くのだが、この電機の活動量が200%も少なくなっていた

 

最近の疫学研究により、妊娠中に母親が飲酒をすると、生まれてくる子供は、のちに精神神経障害を発症する確率が高まるのではないかと考えられるようになった。(自閉症も含まれる)

(ワインを二杯程度摂取しただけでもレム睡眠の時間はかなり短くなることが分かっている)

 

さらに、アルコールを摂取した母親の胎児は、レム睡眠中の呼吸が極端に少なくなった。

通常は1時間に381回のペースだがそれが、なんと1時間に4回にまで減った。(書き間違いではなく、4回)

 

アルコールは授乳中も控えた方が良い。

母親がアルコールを飲むと、母乳にもアルコール成分が含まれるようになる。

母乳のアルコール濃度は、母親の血中アルコール濃度と同じくらいで、最近になり乳児に与える影響が分かってきた。

 

新生児はたいていおっぱいを飲んで寝ると、すぐにレム睡眠に入る。母親がアルコールを摂取している場合、乳児の眠りが断片的になることが分かった。目を覚ましている時間が長くなり、レム睡眠が20~30%減少する。そして、体内からアルコールがなくなると、赤ちゃんは失われたレム睡眠を取り戻そうとすることもあるが、まだ脳がしっかりと発達していないため、それも難しい。

 

現在のところ、胎児や新生児の時期にレム睡眠を奪われると、成長してからどのような影響が出るのかは完全には分かっていない。

分かっているのは、新生児の時にレム睡眠を妨害された動物は、大人になってから社会性に異常がみられるということだけだ。

1990年代のラットを使った実験では、レム睡眠を阻害すると脳の皮質が作られなくなった

同じような現象は、他の様々な哺乳類でも報告されている。

 

生まれたばかりの時期に睡眠を奪われると、脳の発達の遅れは一生残る

 

最近の研究ではレム睡眠の不足と自閉症スペクトラム(ASD)の関係も指摘されている。(ASDとADHDを混同しないように)

 

自閉症には様々な種類があるが、基本的には発達の初期の段階で現れる神経の疾患のことを言う。

大体が2歳か3歳で発症し、主な症状は、社会的コミュニケーションが困難であることだ。

 

自閉症の原因は完全には分かっていない。

しかし、大まかな原因は、発達の初期段階で脳の配線に誤りがあったからではないかと考えられている。

つまり、シナプス形成の異常だ。

 

自閉症の人はシナプスの繋がりに偏りがあることが多い。

脳のある部分では多すぎるほどつながりが形成され、他の部分ではつながりが少なすぎる。

 

そこで、自閉症と眠りの関係に目をつけた。自閉症の人は、そうでない人と比べ眠り方も違うのだろうか・・・

 

実験の結果、睡眠パターンも、睡眠の量も異なっていることが分かった。

そして、概日リズムも同年代の子供に比べて弱い。そのため、通常夜になるとメラトニンが分泌され、日中になるとメラトニンは体内からほとんどなくなるのだが、自閉症の場合は24時間メラトニンの量はほとんど変わらない

 

つまり、生物学的に昼と夜の明るさの差をあまり感じていないことになる。

結果的に、眠りを促すサインも、覚醒を促すサインもそうでない人に比べて弱い。

自閉症の場合は、トータルの睡眠時間がそうでない人に比べて少なくなる。

 

中でもレム睡眠(眼球運動がある睡眠)は30~50%も短くなっている

レム睡眠が脳の発達で果たす役割の大きさを考えると、レム睡眠の不足が、自閉症となんらかの関係があるのではないかという可能性が浮上してくる。(現在研究が進んでいる)

 

レム睡眠の不足が自閉症の原因になっているのか、その逆なのか。

 

ラットを使った実験では、生まれたばかりのラットからレム睡眠を奪うと、脳内のシナプス形成で異常が生じる。それに加えて、乳幼児期にレム睡眠を奪われたラットは、思春期から大人になると、社会を避けて内にこもるようになるという。

 

因果関係の問題はあるが、睡眠異常を追跡することも、自閉症の早期発見につながるかもしれない。

 

睡眠こそ最強の解決策である。より

 

レム睡眠とは何か?ノンレム睡眠とは何か?

1952年、シカゴ大学の大学院生だったユージン・ナサニエル・クライトマン教授は、脳波の活動と、眼球運動と、筋肉の活動を記録する「ポリソムノグラフィー」を使って睡眠研究における重大な発見をした。

 

アセリンスキーは、昼夜にわたって赤ちゃんの眼球運動を観察した。そして寝ている時に眼球が激しく動く時があることを発見する。この睡眠状態の時は脳波の動きも目立って活発になる。(起きている時の脳波とほぼ同じ)

そして、眼球運動が起こる前後には、眼球が動かない長い睡眠がある。(この時は脳波の活動も緩やか)

そしてこの二つの眠りは、寝ている間ずっと一定のパターンで何度も繰り返されていることを発見した。

 

そしてこの二つをレム睡眠(rapid eye movement 素早い眼球の動き)の頭文字と、ノンレム睡眠(レムじゃない睡眠)となずけた。

 

脳が起きている時と同じ動きをする、レム睡眠の時に人は夢を見ているのである。

ノンレム睡眠はステージ1~最も眠りが深いステージ4までに分類をされる。

ステージ3~4になるほど起こそうとしても中々起きない。

 

覚醒状態から、レム睡眠、さらにノンレム睡眠ステージ1~4と眠りが深まり、ステージ4~1、レム睡眠というサイクルが寝ている間、90分のサイクルで出現してる。

90分サイクルの大部分は深い眠りのノンレム睡眠であり、レム睡眠はほとんど現れない。しかし、夜の後半になると、ノンレムとレムのバランスが変わり、今度はレム睡眠が大部分を占めるようになる。ノンレム睡眠はほとんど現れない。又は、全く現れない。

なぜこのようなサイクルになるのかはまだ、科学的に答えが出ていない。

 

深いノンレム睡眠の大切な機能は、もういらなくなったニューロンの繋がりを削除すること。

夢をみるレム睡眠は、ニューロンの繋がりを強化する役割を果たしている。

眠るという行為を繰り返し行うことで、情報の整理を行い、記憶スペースの容量を確保している。

 

就寝時間が午前0時で、翌朝は6時に起きなければいけない場合、8時間睡眠は確保できない。

この場合、何パーセントの睡眠を失うことになるだろうか?

単純計算では25%だが、実際にはほとんどのレム睡眠は眠りの後半に行われるので、睡眠時間が少ない状態で起きると、レム睡眠の60~90%を失うことになる。

逆に起きるのが8時でも午前2時に眠る場合は、レム睡眠の大部分を失うことになる。

こうして、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れていく。

ここでは、心身の健康にとって睡眠不足は致命的だということを覚えておいてもらいたい。

 

これによってどんな影響が出てくるのは今後を楽しみにしてほしい。本当に面白いですよ!

睡眠と覚醒を決める要素は2つある。

 

一つは24時間単位の概日リズムでもう一つの要素が「睡眠圧」である。

あなたが起きている今、この瞬間も、あなたの脳内ではアデノシンと呼ばれる化学物質が増えている。

 

アデノシンの増加は起きている間ずっと続いているため、起きている時間が長ければ長いほど脳内のアデノシンの量は多くなる

 

脳内のアデノシンが増えると、眠りたいという欲求が高まる。この現象が「睡眠圧」だ。

アデノシンの量がピークに達するのが、たいていの人は12時間から16時間起きているときになる。

 

しかし、カフェインを使うとアデノシンからでる睡眠信号を消し眠気を覚ますことができる。

飲んでからおよそ30分後にカフェイン量はピークを迎える。問題なのはカフェインが残り続けることだ。

「半減期」→薬の半分が体外に排出される時間。カフェインの場合は平均して5~7時間になる。

 

例えば午後7時30分頃夕食後のコーヒーを飲んだとすると、午前1時30分になっても半分のカフェインが体内に残っていることになる。

すると、脳は夜通しでカフェインの影響と戦うことになるので、その状態でぐっすり眠れるわけがない。

(朝いっぱいのコーヒーを飲んだだけでもその効果は1日続くことになる)

年齢が上がるほどカフェインの分解は遅くなり、体内に長くカフェインが残るようになる。

 

夜更かしするために、カフェインを摂取する場合はその副作用も覚悟しなくてはいけない。

「カフェイン・クラッシュ」といい、カフェインが切れたことでエネルギーレベルがガクッと低下する。集中力がきれ、頭が上手く働かなくなり、強烈な眠気が襲ってくる。

この仕組みはすでに解明されている。カフェインが体内にある間、眠気を誘うアデノシンはブロックされているが、アデノシンの量は増え続けている。その一方で脳はアデノシンの増加に気づいていない。(カフェインが壁になってアデノシンと受容体を切り離しているため)

しかし、カフェインの分解が終わり、受容体のブロックが解除されるとアデノシンの影響が一気に襲ってくる

それが起こると暴力的なまでの眠気に襲われる。

この眠気に対応するには、さらにカフェインを摂取するしかない。という悪循環がカフェインへの依存を招く。

 

概日リズム(視交叉上核が司る)と睡眠圧(アデノシンから送られる)は別のシステムでそれぞれの働きは連携しているが協力してるわけではない。

徹夜をすると、目が冴えている時間と眠くてたまらない時間があるのは、アデノシンが蓄積されてはいるが、概日リズムでは眠る時間ではないといったことが影響している。

 

一般的に、午前中に眠くなるカフェインがないと目が覚めないといった症状は睡眠不足が原因だ。

睡眠不足の問題は沢山あり、脳内にアデノシンが溜まりすぎるというのもその一つだ。

朝になっても返済されていないアデノシンがまだ脳内に残っている。その状態で一日が始まり…といった具合に繰り返しアデノシンの借金が増えていく。そして、慢性的な睡眠不足が繰り返される。

アデノシンの借金を抱えている人は、慢性的な疲労を訴え、心身ともに様々な症状に悩まされる。

 

現在、世界中でこの睡眠負債が蔓延している。

 

睡眠不足かどうか判断する基準は他にもあり、

 

目覚ましがなくても決めた時間に起きれるかどうか。

パソコンで文章を読むとき、何度も読み返さないと意味が頭に入らないならそれも睡眠不足の可能性がある。