進リハの集いスタッフの小竹です

本日からコラムを始めますのでよろしくお願いします。

 

最初のテーマは「療養型病棟での作業療法士の役割」です。

以前私が勤めていた施設ではベット上で寝たきり患者が多く半数が四肢の拘縮がありました。コミュニケーションをとることも難しく、家族も頻繁には面会には来ないため本人のやりたいことや日常生活の向上についての介入は困難な状態でした。

 

また、算定が切れている患者が多く月に13単位1回のリハビリは基本20分。このような環境で何ができるのか悩みました。ROMや筋トレ、ポジショニング等行うならOTでなくてもできると思いました。

 

作業療法の定義は以前「作業療法とは,身体又は精神に障害のある者,またはそれが予測される者に対し,その主体的な生活の獲得を図るため,諸機能の回復,維持及び開発を促す作業活動を用いて,治療,指導及び援助を行うことをいう.

でしたが現在は「作業療法は,人々の健康と幸福を促進するために,医療,保健,福祉,教育,職業などの領域で行われる,作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す.

変わりました。何が大きく変わったというと「機能の回復、維持及び開発を促す作業活動」から「作業に焦点を当てた」ではないでしょうか?

なので私はROMや筋トレ等の機能訓練も大事ではあるが療養型で作業に焦点を当てた実践で何ができるのかを考えました。

 

ある日たまにしか来ない家族が面会に来たときに家族の方が「いつ来ても寝たきりだよね、表情も変わらないしね」と発言がありました。私はその言葉を聞いて確かに、寝たきりで表情も変わらない方に頻繁に来ても家族としては刺激にならないのかなと感じました。

 

そこでこれをヒントに家族の認識を変えれば家族はたくさん面会に来てコミュニケーションとれるのではと考えました。

 

そこでまず行ったのは

・寝たきり患者の離床時間の拡大

・体性感覚の入力(覚醒向上に向けて)

・表情が表現できるように顔面のリラクゼーション

・車いすのシーティング

を実施しました。

最初の変化は病棟看護師に「この方車椅子座れるんだね」と発言が聞かれました。

このことをきっかけにリハ以外の時間帯に病棟サイドでの離床時間の確保につながり、次第に覚醒状態も良くなりました。また力が入っていた顔面の緊張も次第に緩み、たまに笑顔を見せることも増えてきました。

さらに車椅子上で簡単な風船バレーやその方の好きな音楽鑑賞、可能な方には楽しみ程度の食事も少しずつ可能となってきました。

このような介入を行い次第に病棟看護師は「この方前より表情いいね」と発言が聞かれました。

 

このような経験から、療養だから拘縮予防、褥瘡予防、亡くなるまでの医療の提供等、の介入も大切ですが、「その人らしさ」を提供することも大切だと感じました。したがって、クライエントの可能性をあきらめずに何ができるかを考え、提供すると、クライエントはもちろん、他のスタッフの認識が変わり、面会に来た家族の認識も少しづつではありますが変わってきました。

 

回復期病棟みたいにFIMが大きく変化するわけではありませんが、第三者の「認識の変化」を変えるのはOTの役割なのかなと感じました。

 

この認識の変化のために、機能訓練ばかりではなく、物理的な環境設定や、人的な環境を変える。またその方の作業歴に焦点を当てることで、療養型でもなにかしらの変化は起こると思います。ICFでいうと活動、参加、環境因子と個人因子ですかね。

 

そう考えるとまだまだやることはあると思いますが実際経験をしてみて苦労もたくさんありました。

 

療養型や慢性期で働く作業療法士の方もし他にもこんな働き方や役割があると考えている方はぜひ教えてください!

本日はお読みいただきありがとうございました。