子供たちとユジュンとの食事会も無事に終わり
お互いに 打ち解けられたようで あたしも一安心した
子供たちは せっかくあたしの休みに合わせて ユジュンが来日してるんだから・・・と気を回してくれ 翌日からユジュンと一泊で出掛けることになった
早朝の新幹線の駅のホーム
スーツ姿のサラリーマン達が 早朝から忙しなく行き交うのを ベンチに座り眺める
ほんとは お忍び旅行しなきゃいけないんだろうけど
──多華子といる時は KXAのYU じゃなく パク ユジュン だから・・・
普通の恋人のように コソコソせず 堂々と付き合おう・・・
隣で 少し眠そうにしているユジュンは すっかりただの三十三歳の韓国男性の顔になっている
急に決めたお出掛けだから 遠くへも行けないので 二人の思い出のある大阪に行くことにした
小一時間程で 大阪へ到着し その足で 思い出の地へ向かった
「寒いね・・・」
二月に入ったばかりで 桜はもちろんのこと 葉っぱさえも付いていない 殺風景な土手を 二人並んで歩く
あたしの右手を繋いでいた手ごと 自分のダウンのポケットへ入れて歩くユジュン
「ここだね 」
土手下の広場へつき ベンチへ座った
「懐かしいな 多華子に会いたくて 何度も来たけど・・・あの日のこと 昨日のことみたいに 思い出せるよ」
そう言うと ユジュンは立ち上がり ステップを踏み出した
「踊ってくれるの?」
そう聞くあたしに ニヤッと笑いかけ ユジュンはダンスを始めた
手拍子をしながら キラキラ輝く あなたを見つめた
まるであの日のように
────
ユジュンが決めポーズをとると同時に 二月の冷たい風が吹いた
その瞬間 頭上に満開の桜が見えた
幻だったんだと思うけど 神様が あたしたちを 祝福してくれているように思えた
何もないはずの空を仰いでいるあたしの前へ ユジュンは跪き
「もう二度と離れない・・・ 離さない」
そう言って あたしの薬指に光るリングへ口付けた
