一日一日と陽が短くなり
ずいぶんと秋めいてきました。
 
春先から始まった、新型コロナを意識した生活にも
だいぶ慣れたことを感じます。
 
 
今から思えば、
緊急事態宣言が出ている時の
ステイホーム期間って
世の中が異様な雰囲気だっだなぁと思います。
 
 
コロナに怯えながら
家に引きこもって過ごす生活は
 
「これって現実?
夢か何かじゃないよね?」と
思うくらい
あまりに非日常過ぎて不思議な感覚でした。
 
 
 
我が家では、私はいつも通り
毎日病院で仕事をしていましたが
 
主人は毎日7時頃には家に帰って来るし
息子はテレワーク
娘は大学もオンライン授業
 
 
家でみんなが揃うことも少ないのに
この時はみんなが家にいて
いつもよりにぎやかに過ごしていました。
 
 
お家の中は安全でhappyな空間なのに
一歩外に出れば
えたいの知れないコロナのいる
恐ろしい世界
…ドラマや映画の中の世界の様でした。
 
 
 
そんな中、我が家の娘は
家からほとんど出ない
完全自粛生活を送っていました。
 
 
ぴたっとバイトにも行かなくなり
友だちと遊びにも行かない
 
極端な引きこもり生活でした。
 
 
 
オンライン授業のない時間は
育てた野菜を摘みとったり
料理もやる様になり
 
本人いわくリアル"あつ森"
(あつまれどうぶつの森)だといいます。
 
 
 
普通なら、健康な大学生が引きこもり生活をするのは
ストレスになりそうなものですが
 
そこは不登校経験者です
引きこもりはむしろ性に合っているようです。
 
 
 
自分のペースで1日を過ごし
 
必要以上に人と接することもない。
 
だから無駄なエネルギーの消耗もなく超快適 ♪♪
 
とても楽しそうに引きこもり生活を満喫していました。
 
 
しかも緊急事態宣言が解除されて、
世の中に人が戻り始めても
いっこうに外に出ようとしないのです。
 
 
 
でも、この生活を
ずっと続けているわけにはいきません。
 
いつまでも
 どうぶつの森に暮らしているわけにはいかないのです。
 
それは本人もわかっていました。
 
 
 
 
6月のなかばのこと
 
4ヶ月ぶりくらいに私と一緒に美容院へ行きました。
帰りに、娘の友だちがバイトをしているショッピングモールに寄りました。
 
そこでは何人かの友だちがバイトをしています。
 
家に帰ってから娘が
「あ〜 なんだかモヤモヤする もやもや
  モヤモヤする もやもやと言っています。
 
 
 
私にはすぐにピンと来ました。
友だちの働く姿を見たからです。
 
オンライン授業では顔を合わせていても
働く姿は、また違った感じに見えたようです。
 
 
地方から出て来て一人暮らしをしている友だちは、とっくにバイトに戻っています。
 
でも、娘はバイトにも戻らず
引きこもり継続中です。
 
 
「あ〜 社会は動き出したって、ホントなんだ。
ステイホームがずっと続けば良かったのに。」
 
娘の心の声は、きっとそう言っていたのだと思います。
 
 
娘は大学3年生です。
 
本来ならば卒業後の進路を
本気で考えなければならない時期なのです。
 
それでも、今年はコロナという異例の事態で
会社自体が完全テレワークになったりして
就活も今までの様にはいきません。
 
その中での就活はとても難しいでしょうが、
時間だけは待ってくれないのです。
 
 
 
7月
世の中が本気で動き出したそう感じた頃
 
娘は相変わらず、たまに私とスーパーに買い物に行くくらいで
 
相変わらず"どうぶつの森の住人”を継続していました。
 
娘の様子を見ていて
私の中の「親心」っていうやつが
久しぶりにむくむくと湧き上がってきました。
 
 
いつまでも引きこもらせていてはいけない
現実に目を向けさせなくては!
 
そんなふうに思いました。
 
 
 
ある日、私は仕事から帰って
相変わらずの生活を続けている娘に言いました。
 
 
「わかぽん 
残念ながら世の中は
自粛期間を終わって
元の活動にもどりはじめてしまったよ。
 
君はこのままでは、
元に戻った時に辛すぎやしないか?
 
せめて、体力だけは戻しておかないと。」
 
 
…  もやもや
 
 
娘にとっては
聞きたくない言葉だろうなと思いながら
言ってみました。
 
私も言いたくはありませんでした
 
 
私のその一言で、娘は
いや〜な空気を出し始めましたもやもやもやもやもやもや
 
 
娘 「(就職活動の)面接だって、始まってるよ。」
 
私 「そうなんだ…」
 
 
……
 
私  「ただ、何かしようと思った時に、それができるように体力だけは戻しておかないとね」
 
 
私は、それ以上どうしろとは言いませんでした。
 
 
 
 
もやもやもやもやもやもやもやもや
 
 
あ〜 娘の生活態度が気になるこの感覚…
 
一言いうと
娘がテンション下がるあの感覚…
 
 
嫌だわ〜
 
久しぶりに
かつての不登校時代が戻ってきたかの様に
 
胃のあたりがキュッとなる様でした あせる
 
 
…  …  …  
 
 
さて、その後どうなったかといえば…
 
 
さすがに、不登校の昔とは違います。
気持ちを切り替えた娘は
すぐに活動を再開したのです。
 
 
そもそも、ステイホーム中も
全く何もしていなかったわけではなく
娘なりに将来のことを考えていました。
 
普通の大学生が希望する様な
大きな会社に就職しようとは
全く思っていないので
 
娘なりのやり方で、将来の目標のために
色々色々考えてたのです。
 
ただ、ちょっと動かなかっただけ 😅
 
 
私には、ひとり自粛生活を続ける姿は
ささやかな社会への反抗の様にも思えました。
 
 
せっかく、人間が経済活動を止めた事で
地球の環境が良くなったっていうのに
 
みんなも、
「もっともっと」と自分たちを追い込んでいた
窮屈で苦しい経済優先の社会から
やっと解放されたのに
 
もう戻っちゃうの?
それでいいの?
 
 
 
あまりにもかたくなに
引きこもりつづける姿の陰には
そんな気持ちが潜んでいるのではないかと感じていました。
 
……それは、私がそう思っていたからかもしれないけれど。私は元の社会に戻ろうとする動きが始まったことを、とても残念に思いました。
 
 
 
さあ、そこからは、まるでスイッチが入った様でした。
 
不登校の子と親に向けたお茶会の開催を決め、オンラインで開きました。
 
 
バイトにも戻りました。
 
しかも、連日の猛暑の中
炎天下のバーベキュー場のバイトです。
 
それでも、広い空間
明るく陽気な人が多い職場は
疲れないのだと言います。
 
暑さで体力を消耗したとしても
人との関わりで氣分が上がれば
エネルギーが循環してパワーがみなぎる
 
これはHSP気質の
うちの娘あるあるです。
 
 
その後も動きは止まらず、
 
昨年、ルワンダへ行った"国際協力を志す仲間たち"と
毎週末 勉強会に参加し
 
新しいイベントを企画したりしています。
 
 
普通の大学3年生とは違う過ごし方かもしれないけれど
娘の志はいつでもブレていない様です。
 
 
コロナの時代
明日のことすらわからない世の中。
 
せっかく、「普通じゃない時代」に生きているんだから、自分が本当にやりたいと思うことを
思う存分やってみるのもいいんじゃない?
 
 
… …  娘を見ていて
そんなメッセージが伝わってきました。
 
 
こうして長い長い
娘のステイホーム期間は終わっていったのでした。
 
 
 
 
 
☆*:.。.  .。.:*☆・*・☆*:.。.  .。.:*☆
 
 
 
大学生・専門学生に
リアルな関わりの場を作り
本音で話をしてもらえるイベントを企画した様です。
 
 
この後も、イベントは続く様です。
 
 
こちらから↓