昨日、

『イケメンですね』

の日本リメイク版の初回が放映されましたな。。。



ヒドイ。。。


悲しい。。。


オリジナルを、あそこまで無茶苦茶にできるものなのだなぁ。



何がって、まず玉森くんがどこをどう見てもイケメンには

見えません。

2時間ずっと、

「彼はイケメンだーイケメンだーイケメンだー」

と、自己洗脳を試みておりましたが、とうとう無理でした。


魚のかぶり物したら、二代目さかなクンって感じですよ><


ネットでは放映前からミスキャスティングだと騒がれて

いたようですね。

韓国版のオリジナルキャストと写真並べてみたりして。


それはどうも、「顔の造作の差」というミもフタもない

観点での比較のようですが、彼らがイケメンに見えない

のは、それだけのことではありません。


そもそも、

「イケメンとは何か?」

もちょっと小難しく言うと、

「その社会でどんな男性がカッコイイと思われるか?」

てなことに関わります。


たとえばですね、オリジナルの第一話のごく序盤で、

シスター(実は主人公パク・シネちゃん)が落としたローマ行きの

航空券を偶然拾ったグンソクくんたちが、もう必死に走りまわって

届けようとするドタバタ劇があります。


そういうエピソードひとつで、いわゆる男性側の主人公

であるグンソクくんが、居丈高な相手やちやほやするファン

には一切媚びない反面、普通に知り合った人には全力で

親切であるという面が伝わってきます。

いわゆるギャップに胸がキューンなわけですよ。


というか、そういう男気があってこそのイケメンじゃん。

自然と、

「ほれてまうやろ~!LOVE

と叫んでしまいます。


ところが日本版では、全体としてほぼ同じ話で、セリフのみ

ならずセット構成やカメラアングルまで真似ときながら、

そのエピソードはまるまるカット。


グンソクくんの役どころを演じる玉森くん、単に傲慢不遜で

身の程を知らず、場をわきまえることもできない勘違い

タレントに描かれてしまっております。

少なくとも今のところは。


ひょっとして、日本版の脚本家は、

「イケメン=顔の造作が良いだけの男」

と思ってやしまいか?

あ・・・いや、先ほど申し上げたように、ルックス面でも今回は

大失敗ではなかろうかと思うが。

ちょっと目つきスルドイ版さかなクンだし。

(さかなクン、ゴメンなさい)


これから、彼の男気とか描かれていくのだとは思うけどさ、

最初にそれを最優先でパパーンと印象付けない脚本という

のは、はっきり言って稚拙だと思います。

そういう意味では、玉森くんはじめ出演者がかわいそうだ。


まー、玉森くんが一番演技へたくそというのもあるんやけどなぁ。。。

彼、時代劇で江戸のチンピラばくち打ちとかさせたら合いそう。

(時代劇俳優さん、ゴメンなさい)

ジャニーズ事務所は、彼がアジアのカリスマと比較されて

潰されるというリスクを考えなかったのだろうか?


あと、オリジナルでは、心をゆるしきった人以外の目上の人や

一般の人には、ちゃんとハムニダ体(敬語)使ってしゃべって

ますよ!

ファン・テギョン(グンソクくん)は、オレ様キャラではあるけど

決して非常識でバカっぽい男ではない


高島政伸さんも、柳沢慎吾さんも、オリジナルのキャラを

表面的にトレースしているのですが、なんとも現実感と

メリハリのない演技の連続で、場が白けます。

その結果どうなるかというと、愛すべき脇役にならないわけ

なのですよ。


そもそも、オリジナルの根底に流れるのは・・・なんて

話し出すと限りなく長くなるので、今回はヤメときます。

(書きかけて消しました)



今回のテーマは・・・そうだ、イケメンとはいったい何だろう?

ってことだ。




今、我が国では、優しさとか、心遣いとか、そういうことが何か

どんどん顧みられなくなっているだけならまだ良いのですが、

ダサくて暑苦しいとかって思われてはいないだろうか。



あまり昔は良かったなんて思いたくないほうなんだけど、

かつての日本のイケメンたちは、もっと輝いてたぞ。


「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」

というのは、レイモンド・チャンドラーの小説における

フィリップ・マーロゥの名言ですが、かつての日本男児の心意気も

そうだったんじゃないですか。


先日、古今亭志ん生師匠による、江戸の侠客「浪島文治郎」の

落語をCDで聴いたんですが、そりゃもぅ、かっこいい!

ハードボイルドってのはこうことさ!と言いたくなるような漢(おとこ)です。


DVDで観た33年前の大河ドラマ『黄金の日日』に登場する、

根津甚八さん演じる石川五右衛門の、超クールで無頼でありつつ

優しさを秘め、最後は友情のために戦って釜茹でという極刑に

至るというカッコよさにもシビレました。


しかしやはり、最も素晴らしいのは高倉健さんですね。

本当のイケメンを知りたければ健さんを見よ!と言いたい。


あと、僕の中では鶴田浩二さん、松田優作さんもGOODです。

そうだ、仲代達矢さんもいいっすね!


。。。って、スミマセン、話がめちゃくちゃになってきました。

『イケメンですね』の批評してて、「浪島文治郎」が出てくるとは

我ながら想定外だ。

と言うか、これでは昭和生まれのオヤジの愚痴ですね。




ま、いっか。

それくらい、日本版の『イケメンですね』にショックを受けたって

ことで、ゆるしてください。


もちろん、ドラマの上でのことなんで、どちらにしても虚構に

すぎないわけですが、虚構の世界に対してでも何を求めるかで

僕たちの社会の何か質的なものが垣間見える気がしてなりません。


異性からは愛される対象が、同性からは目指すべき目標が、

そこには映し出されているわけですから。




※追記

今の日本のキャラでは、ダントツにのはらしんのすけ

イケてます。

よく、『ワンピース』が良いってみんな言うけど、さっぱりわかりません。

自分たちと戦っている相手との間での感情のやりとりに終始してて、

ハードボイルドの条件である第三者への優しさが見えない気がして。