昨日、中国の志怪文学について紹介したので、今回は「奇書」につきご紹介します。
これもすんごい面白いです。
◆「山海経」
第一のお奨め。
これは、古代中国の奇怪な世界観に基づいた地理書です。
地理書と言っても道教的な奇怪な世界観に基づいているので、この世の物とは思えない世界が説明されています。地勢的な部分はともかく、面白いのが各地に生息すると言われる人物・生物達。これはすべて想像の産物で、はっきり言って妖怪です。こんな、奇怪な地理と奇怪な人物・生物について真面目に絵入りで延々と綴られています。
これは古代中国の奇怪な世界観に浸れてすんごい面白いです。
「平凡社ライブラリー」で出ているので、是非読んで欲しい。
↑こんなのが出てくる。
◆「列仙伝」・「神仙伝」
色んな仙人を紹介しています。
その仙人が何処のどういう人で、どうして仙人になったかを、絵入りで延々とつづったものです。これもそんなバカな!と思うようなヘンな話ばっかりで書かれており、面白いです。
神仙伝は後で紹介する「抱朴子」を書いた葛洪が書いており、老子とか、伝説の人物である彭祖とかも出て来ます。
これも「平凡社ライブラリー」で出ているので、読んで欲しい。
↑こんなのが出てくる。
◆抱朴子
これは葛洪が書いた、神仙思想と煉丹術の理論書で、仙人になって不老不死になるやり方の教科書です。煉丹術とは西洋で言う錬金術であり、これは錬金術が面白いのと同様に面白い。葛洪はパラケルススに通じることを古代中国でやってた訳で、西洋の錬金術と中国の煉丹術を比べてみるのも面白いと思います。
これは岩波文庫とかではでていたのですが、残念なことに現在絶版となっており、中古を探すしかありません。でも面白いので探してみて欲しい。
◆西遊記
ここに入れるか迷ったのですが、原典を読んでる人はあまり居ないだろうから敢えて入れます。呉承恩の原作は読むと本当に面白いので岩波文庫で全10巻で出ているから、無理にとは言わないが出来たら読んで欲しい。
ストーリーは今更書きませんが、今考えるとゲームのような構成をしていると思う。
最初に石から悟空が生まれて天界で大暴れして五行山に封じ込まれる。そこへ竜馬に載った玄奘が悟空を救い、クエストが始まる。途中で八戒や沙悟浄が加わり、牛魔王とか、羅刹女とか、金角・銀角といった中ボスが続々と現れ、クエストをこなすと中ボスが現れ、中ボスを倒すと次のクエストに続く。
誰か原作に忠実にゲーム化すると面白いと本気で思う。
※いわゆる「四大奇書」は『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、『金瓶梅』または『紅楼夢』とされていますが、三国志その他は今日のブログからは除きます。
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