雑誌の書評を見て、読んでみたいな~と思い、
図書館に予約して、、、待つ事、数ヶ月?
やっと、私のところにきてくれた本

ふがいない僕は空を見た 窪 美澄
高校生の卓巳と主婦のあんず。この2人から始まる少し歪んだ
恋愛、あんずの家庭事情、卓巳の同級生や母、周りの人を巻き
込んで起こる物語を描いた連作短編集。
人が空を見上げる時、その心には何が、誰が思い浮かぶのだろう。。。
予想に反して、過激な描写から始まる物語。
躊躇する間もなく、卓巳の想いにどんどん引っ張られて読み進んでいく。
今の世の中で、こんな思いをしている人は普通にいるのかもしれない。
事の大小はあるけれど、、、
苦しみや悩みやコンプレックス。
形だけの愛。純粋な恋。
妬みや欲望、悔しさや悲しみ。
一生懸命生きていても、自分だけの力じゃどうしようもできないことがあって。。。
そんな自分への無力感を抱えて。
悲しいほどの孤独を抱えて、
でも手を伸ばせばそこには、泣きたいくらいの友情や愛情があって。
人はどうしてこんなにも、残酷で、優しい生き物なんだろう。。。
自分の気持ちに正直に生きること以外に、
人生をうまくやり過ごす方法があるんだろうか?
人が人を想う気持ち。。。
自分が抱える本当の気持ち。。。
いくつになってもため息が出るほどの、自分の中のふがいなさに、
人は呆れて空を見上げるのかもしれない。。。
そしてまた想うんだよね。
「頑張ろう。。。」って。。。
愛すべき“人”という生き物にささげる一冊。