何かの雑誌に、オススメ図書として載っていたんだよね
「越えたくて、会いたくて、私は走り始めた。」ってフレーズが気になって、
図書館に予約していた本。
 
タイトルから、スポーツものを連想していたけれど、、、
これがまた、いい意味で期待を裏切られたのよね~にひひ
 
 
                        『ラン』     森 絵都
 
                不幸の塊のような人生を送ってきた主人公・環。
                誰とも打ち解けられないのは、「またひとりになる」ことへの怖さから。
                ある日、偶然にも彼女が越えてしまったライン、、、
                それは生きていく者にとっては禁断の世界だった。。。
 
 
森さんの作品、「カラフル」を以前に読んだことがある。
あの世界に近いかな。
彼女ならではの視点で、生きることへのエールを送っている作品だと思う。
 
身近な人を亡くした経験のある人は、きっと環の気持ちがわかるハズ。
 
淋しい、淋しい。。。
会いたい、会いたい。。。
そんな思いを抱えている時に、もしもその願いが叶ったら?
 
普通じゃないってわかっていても、その世界に触れてしまったら、
大好きな人にもう1度会えたら、、、
環の想いが痛いほど伝わる。
 
環が走り始めた理由を、人は笑うだろうか?
 
できることなら、私も走りたいと思うよ、、、天国にいる、大好きな父に会うために。。。
 
 
「悲しみはわけあえない。だれにもわけてあげたくない。」
頑なだった環の心。
 
「もっと、もっと体力をつけなければ。もっと、もっとつらいことも受け止められるように。」
走り続けるうちに、環の心が“死”の世界から“生”の世界へ向けられていく。
 
そのきっかけを作った叔母さんとの別れのシーンには、涙。。。
 
文章自体は明るいので、とても樂に読みすすめます
 
 
        憎しみも、悲しみも、辛いことも、、、溶けていくんだ。。。
        笑って見守ってくれてるんだね、、、きっと。。。