新聞の広告を見て、「おっ!」と心に引っかかっていた。
デビュー作を読んで印象に残っていた作家さん。
今度はどんな世界を見せてくれるんだろうキラキラ
 
 
                    星やどりの声         朝井 リョウ
 
                亡くなった父が、母と6人のきょうだいに遺したものは、
                小さな喫茶店と家族の絆、、、のはずだった。
                それぞれの想いを抱えて過ごしてきたきょうだいが、
                母の過労をきっかけに、自分自身を、また家族との
                関係をを見つめ直すことに・・・。
                
 
まず表紙を見て、「あれ?見たことあるような・・・?」
ページをめくっていき、物語が進んでいくと気づくのだ。
 
「このまちを、私は知っている!」
そう、この物語のモデルとなったのは、鎌倉なのだ!
 
海辺の町にある小さな喫茶店『星やどり』が舞台の物語。
 
病で亡くなった父が家族に遺したこのお店。
星型の天窓、ブランコの椅子がある店内。
ひとりでお店を切り盛りする母。
社会人から小学生まで、三男三女のきょうだい。
 
物語は、子ども達の目線から描かれた6章からなっている。
 
・・・。
 
第2章で、号泣してしまった。。。汗
小さな三男の目線で描かれた章で。
 
そして、その後も、静かに涙があふれ出てきてしまう。
 
大好きで、大切な人を亡くしたときの悲しみ。
それは言葉では表せなくて。
だけど、誰かに聞いて欲しいほど苦しくて。
なのに、誰にも言えなかったりして、余計に淋しくなって。。。
 
そういう葛藤が、それぞれの立場でうまく描かれている。
 
みんなお父さんのことが大好きで、家族のことを大事に想ってて、
そういう切ない気持ちが胸を打つ。
 
最後の長女の目線で描かれた章で、
父が家族に遺した最大のプレゼント、そのカラクリが明かされる。
 
素敵なお話に、ココロがほっこり!
 
そしてまた、私も父のことを想い出してしまった。。。
父が遺してくれたものを、私はやっぱり忘れない。
今も、そのすべてを大切にしてるよ。。。