図書館物色中、タイトルに惹かれて手にした本。
本が好きな人は、きっとこの言葉に続けて言いたくなるよね

「ありがとう!」って。。。
この本が、世界に存在することに 角田 光代
本を巡る9つの物語を収めた短編集。思いがけないところで出逢う本、
大切な人との思い出の本、人生を変えてしまった本、、、、。
記憶の中に、誰もが持っている本との思い出。普通の人々の、普通の
生活の中で、本と共に紡がれていく物語が心に温かい。
角田さんの本、「間違いない!」ってカンジの安心感がある。

彼女が「本を愛してる」ってことが、すごく伝わってくる短編集。
各話ごとに書式が違っていて、読み手の意表を突く。
けれど、違和感なくスッと次のお話に入り込めるのでよかった。
古本屋を渡り歩く伝説の本、素晴らしい本なのに絶版になってしまったもの、
初めてのプレゼントに選んだ本、好きな人が同じ本を持ってて嬉しい、、、
そんな可愛くて愛しいお話たちが、心をほんわかとさせてくれる。
そして、何より「この本が、世界に存在すること」こそ、本好きにはたまらない!
どのお話も素敵だったけれど、
“さがしもの”、“ミツザワ書店”の2編が特にお気に入り

『おなかが空いたって、まずしくったって、人は本を必要とする』
『そう、本は人を呼ぶのだ』
御意
