なんだかバタバタしていて、ゆっくり本を読む時間が無いなぁ。。。
夏休み中に、どれだけ読めるかな

久しぶりに、辻仁成が読みたくなって、、、
人は思い出にのみ嫉妬する 辻 仁成
戸田さんと栞。ふたりの間に立ちはだかる思い出の人、愛麗。
愛麗の思い出に負けまいとする栞。
時間だけが、時間に勝つ唯一の武器であると信じて。。。
忘れられない人、忘れさせたい人の想いが、切なく描かれた物語。
『思い出』・・・誰にでもあるもの。誰もが持っているもの。
楽しい思い出、辛い思い出、忘れたい思い出、、、
自分が持っている思い出、愛しい人が持つ思い出。
自分が知らない、愛しい人の見えない思い出、知らない思い出。
思い出のせいで栞が苦しむ姿。
切なく苦しい想いを、必死でかき消そうとする姿。
愛麗の思い出に縛られているのは、戸田さんよりも栞なのだ。
愛しすぎるが故に、壊れていきそうな栞を、助ける方法はあるのかな?
「思い出のせいで人は苦しみ、でも、思い出のせいで人は救われもする。」
「思い出は厄介だが、人間が死ぬまで持ち続けることのできる宝物でもある。」
見えない時間に嫉妬しても、どうしようもない。
栞だってわかっていたはずだ。
わかっていても、嫉妬ってしちゃうものなんだよね。。。
それが愛しい人ならなおさらに。
過去も未来も、今この時でさえも、自分が知らない愛しい人の見えない時間に嫉妬したって仕方がない。
じゃあ、栞をどうやって励ましてあげられるんだろう?
どんな言葉も薄っぺらく響く気がして、、、
この物語、著者のあとがきによると実話を素にしたストーリーらしい。
戸田さん、栞、それから栞のことを好きになる年下の安東君。
物語の終わりは切ないキモチがいっぱいだったけど、
あとがきに3人のその後の様子が書かれていて、ホッとした。
「思い出は財産です。その財産を間違えずに使うことが大事なのだろうなあ、と思った次第です」
by 辻 仁成
そう、間違えずに、ね
「キミとの想い出があれば生きていける」ってボギーのセリフにもあったな~

思い出は、宝物



大切に、胸の中に。。。