$hashikawa's blog


「ひとりで逃げなさい」と言った、走ることができない祖母の手を離した孫。
以前いつかの新聞に掲載されていた、その手をほどいた後悔を背負って生きる高校生の記事。

黒い恐怖が背後に迫る、想像できない慟哭の場面を思い、胸がえぐられる。
忘れ得ぬ日々を歩み、支え合うことの本質と、一過性ではない救済の真意を見つめる。


"お金そのもの" のみでは直接的には復興されないし、願いや祈りで泥や瓦礫はなくならない。
そこには、人間の持つ具体的なマンパワーが必要で、そしてその心の力が傷を癒やしていく。

タイタニック号が沈む時、最後まで演奏を続けた楽団のような高尚な存在。
その音楽で沈没を止めることはできないし、救命ボートを浮かべられるわけでもない。

それでも迫りくる人生の終焉に、自分の使命をそう選んだ。
音楽のあり方って、きっとそうなのかもしれない。


人間は偉大で、必ず立ち直ることができるんだということを、
悪夢の朝から長い時を経たこの場所から、少しずつ届けていきたい。


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災後の仮設での生活を伝える記事と、1.17の式典を伝える記事。
隣には、原発の運転を最長60年に延長するという見出し。
違う、そうじゃないやん...。