$hashikawa's blog


第145回直木賞受賞作、池井戸潤さんの「下町ロケット」
2回に分けて感想を掲載しようと思いますので、よろしくお付き合いください。


「その部品がなければ、ロケットは飛ばないー。」 という帯のコピーが何ともそそる、
下町の中小企業「佃製作所」が、夢のロケット開発に挑む感動のビジネス小説。

正義が悪を倒す的な、弱者が強者に立ち向かうという、勧善懲悪のベタなストーリーではありますが、
経営者の情熱とプライド、社業の難しさと奥深さを味わうことができる、"男のロマン" 溢れる1冊。


大企業の横暴、特許侵害による訴訟、企業買収、銀行の融資、従業員の離反、さらに家庭事情など、
それぞれの問題をめぐって展開する、現実に即したリアリティーのあるストーリーです。

フィクションながら、生き馬の目を抜くような現実社会をリアルに描くビジネスドラマであり、
夢と現実をバランスさせる、モノづくりへのプライドと技術者への敬意を忘れない人間ドラマです。


現実社会でも、種子島宇宙センターから、情報衛星を積んだH2Aロケットの打ち上げが成功したり、
アメリカの人工衛星がその役目を終えて大気圏に突入し、燃え残った破片が地球に落下したり。。

無限の可能性と、夢が溢れる憧れの象徴でもあるような神秘的な宇宙。
読み進む中で、向上心とチャレンジ精神に一気に火がつくのがわかります。


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表紙の絵やタイトルのフォントも素敵。
400ページがアッと言う間です。