前回に続いて、ビンラディン殺害に関する内容です。


今回の軍事作戦の目的は殺害で拘束は念頭になかったと言われ、“非武装”のビンラディン容疑者は、
作戦開始数分で、銃弾を受けた妻と12歳の娘の目の前で殺害されたとも言われています。

確かに、「可能であれば拘束」というような不明瞭なミッションであった場合、
遂行にブレがおき、チームに犠牲者が出るなど、急襲作戦が失敗する可能性もあったかもしれない。

そして、拘束しても裁判をするのは難しいというもっともな見方や、身柄奪還へ向けられる危険な動き、
各地での人質交渉などへの懸念と、様々な危うい問題がはらむ。


DNA分析にも疑問は残り、遺体の写真は公開されず、その遺体はすでに水葬したとの発表。
テロ組織の反米感情を刺激しないための方法として当然だとも思うが、オバマ大統領とその周辺が、
二期目を見据えた支持率の回復策としての襲撃作戦として、ここまでの絵を書いたという説も。

潜伏に関与し、支援していたという疑惑も残るパキスタンとの情勢悪化が懸念され、
報復テロの脅威が増し、主権侵害の声や国際法違反を問う見方など、複雑な問題が絡む今回の事件。


テロ攻撃を指揮した大量殺人の加害者は、今回の暗殺に値する。
それでも「命を奪った」というのは、無裁判で「命を奪われる理由」になるのでしょうか。