80歳の祖母と共に、9日振りに救出された16歳の青年。
疲労と安堵が混じる表情を一面に据える昨日の朝刊各紙。

常軌を逸する惨禍に見舞われた被災地では、心は折れも緩みもする。
少しでも安らぐ救助の記事に、痛哭を伝える記事も並ぶ。

避難所へ運び込まれた高校生の遺体が兄であることを確認し、
声を上げて泣き崩れたという少年が母親の胸に抱かれる悲痛な写真。

そんなあまりにも惨い別れが被災者の数だけあると思うと、
被災地の現実を伝える紙面をそれ以上読み進むことができず、
「正しい行動とは何なのか」と信念はぶれそうにもなる。

深い傷跡は長く残ることにならざるを得ないのは如実で、
有事の時にこそ、課された使命を全うする意志を強く持たなければ。

廃墟となった海辺の街は、無念の魂がまた産まれたいと思うような素晴らしい情景をきっと取り戻す。