$hashikawa's blog


兵庫県立美術館で開催されている「レンピッカ展」へ行ってきました。

震災からの「文化の復興」のシンボルとして、日本を代表する建築家、
安藤忠雄氏の設計により建設された兵庫県立美術館は、
自然光の取り込みによってその表情を変えるかのような、複雑多様な空間体験を実現し、
様々な芸術の融合の場を表現した先進的な美術館でした。


そして、今回の「レンピッカ展」
ロシア革命、第二次世界大戦、世界恐慌という激動の時代を生きたレンピッカは、
女性の社会進出を促し、先鋭的でモダンなライフスタイルを貫いた、
今の時代にも輝きを与える女性画家です。

その作品に見られる力強いポスターワークは、大胆でありながらも繊細な色彩感覚で陰影を産み出し、
それぞれに自らの姿を重ねたと言われる、浮き出すような人物像には驚愕でした。


アールデコの象徴と言われる彼女の全盛期には、自信に満ちた心象を妖艶に描き、
大恐慌という狂乱の波が押し寄せる頃には、人々の心の闇を描く。

作品を通してその人生の軌跡を辿るこの展覧会では、
中盤から同一人物とは思えない程に、その作品のタッチは変化します。

時代の変遷とともに移る作風で、自身の栄光にすがることなく、
変わらず常に新しいスタイルを模索していた様が、
この展覧会では分かりやすく流れるように表現されていました。

自分の才能と魅力を誰よりも知り尽くし、セルフプロデュースに長けたその生き様には、
女流画家としての強烈な自己主張が詰まっているようでした。


レンピッカの作品が、これだけの点数集まるのは滅多にないことのようです。
7月25日まで開催されていますので、本能に生きた伝説の画家の
「美しき挑発」を是非体験しに行ってみてください。


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レンピッカの作品とそれを展示する美術館。絵画と建築。
2つの芸術が味わえる今回の展覧会は、エントランスからワクワクとさせてくれます。