コンコン 俺はドアのノックした。

「営業の徳谷です」
「入れ」
「失礼します」

中で待っていたのは入社以来顔を合わせたことのなかった
社長の長谷川と副社長の宮田だった。
俺の働いている会社は実際副社長の宮田が動かしているといっても
過言ではなく社長の長谷川は会社に来ることがほとんどなく
毎日接待といい飲み歩く毎日らしい。
そんな長谷川を心よく思っていない宮田が
社長の座を狙っているとこの前松田と飲んでいるとき
言っていたなぁと俺はふと思い出していた。

「なにをしている!さっさと座りなさい」

宮田の声が飛ぶ。

「あ、すみません。
それで今日はどういった理由で僕は呼ばれたのでしょうか…?」

「それはだな…」

宮田が困惑気味に一枚の紙を俺の目の前に置いた。

「これはなんですか?」
「お前はこの紙に見覚えはないか?」

俺はその紙を手に取り読んでみたが内容に全く身に覚えはなかった。


        

       嘘憑きは泥棒のはじまり

ルール1:一日一つ嘘を誰かに憑いて下さい

ルール2:一日一つ誰かに憑かれた嘘を
     見破って下さい

ルール3:どちらも守らなかった方には
     死んでもらいます

     注意:相手の嘘を見破ったとき「泥棒」と言って下さい










「おい…おい徳谷聞いてるのか?」
「え、はい」
「どうだ?なにか身に覚えはあるか?」
「い…いえ、さっぱりです」

それはそうだ、いきなりこんな紙切れを見せられて
訳のわからない文章をみても思いつく事なんて一切ない。

しかも「死んでもらいます」ってありえないだろ…
こんなしょうもない事で呼び出されたのなら
部長の言葉を無視して昼飯を食うべきだった。
なんなんだ!この会社は…。
俺は無性にこの会社を辞めたくなった。

「そうか…わかった仕事に戻ってくれ」
「失礼します、あっ宮田副社長聞きたい事があるんですけどいいですか?」

俺はなぜこんな事を言ったのか自分でもわからない。

「社長の椅子を狙っているってのは本当ですか?」
「なにを言ってるんだ君は!いいからさっさと仕事に戻れ」

「…泥棒」
「ん?何だって・・・」

「いえ、なんでもありません。失礼します」

そしていつもと変わらない一日が終わった。



でも一つ変わった事があるとしたら日付が変わる頃宮田副社長が死んだ…。

1日目

ジリジリジリーン鳴り響くアラーム。
ジリジリジ…バンッ!

俺は徳谷朋也26才、どこにでもいるサラリーマンだ。
毎日朝6時半にアラームで起き7時に家を出る。
7時14分の満員電車に乗り7時40分にタイムカードを押す。

「おはようございまーす」

俺は毎日適当に挨拶をする。

「おーい徳谷、ちゃんと挨拶しろよ!
やる気ないなら辞めてもらってもいいんだぞ」

朝からグチグチうるさいのは榎田部長。
頭はハゲていてYシャツもシワシワ。
体からは加齢臭が漂っており部下からは陰でハゲタカと呼ばれている。

「すみません、営業回ってきます」
「おう!さっさと行ってこい」
「頑張ります…」

毎日繰り返される会話。
辞めたい…
でも辞めたからって特にやりたい仕事も無ければ次にする仕事がない、
だから辞めない、ただそれだけ。



営業回りから帰ってきた昼、会社はザワザワしていた。

「おう徳谷、今戻ったか」

そう声をかけてきたのは俺の同期の松田直也だ。

「なんか会社に意味のわからない文章が送られてきて
今順番に社員が呼ばれているらしいぞ」

その時ハゲタカの榎田部長が声をかけてきた。

「おっ徳谷ちょうど良かった、第三会議室に行け」
「まだ昼飯食べてないので食べてからでいいですか?」
「馬鹿野郎、そんなこと後だ!いいからさっさと行け!」

俺はめんどくさいなぁ~と思いながらも仕方なく会議室に向かった。


この時の俺はこの後に起こる悲劇を少しも想像出来なかった…。
家賃は38万と結構高いけどスタジオ件事務所用に物件借りた☆
徐々に写真アップしていこうと思ってマース♪