ゾンビ映画に分けられると思うのですが、作品的には「人間を凶暴化させるウィルス」が蔓延した世界を舞台とした少年の成長の物語だと思います。ウィルスから守るために完全に封鎖されたイギリスで、本土から干潮の時だけ陸続きになる島の村が資源を手に入れるために時折、本土に渡るという役割を少年が担っていくはずが……という。

ウィルスの蔓延から28年から村が文明を失いつつある世界で主人公の少年が抱える母の病気という悩みと、それから逃れようとする勇敢な父とのギャップの背景説明などはとても上手く感じました。何かを予感させる感じとか。そのうえでウィルスに感染した人間と退治したシーンは割とジックリと描いていたりしていて、このあたりはダニー・ボイルの好みなのかと思えるスタイリッシュさを感じるトコロ。

とはいえ、実世界に蔓延しているゾンビ映画作品からすると、もはやこの作品自体の押しは弱く感じます。むしろ、この少年がこの後どう育っていったのか、ちょっと『マッドマックス』的になった作品の方が観てみたいくらいです。