
11/20~29 天王洲銀河劇場にて公演されている舞台
「死刑執行中脱獄進行中」を観てきました!
本公演はジョジョの奇妙な冒険で知られる
荒木飛呂彦先生の描いた同名の短編が原作となっており、
作品のファンである私は、あの荒木先生の作品の初舞台化!と聞いて
さっそくチケットをとって観てきたわけであります!
舞台会場は満員御礼!
隣の席の方も言っておられましたが、
荒木先生ファン8割、森山未来ファン2割の構成であったであろうことは確実でしょう!
さてさてまだまだ公演中の舞台の記事なので、まだ舞台を見ていない方は・・・

まず原作のストーリーですが、
死刑囚である囚人27号。
投獄されている牢屋は、まるで高級マンションの一室のような部屋で、死刑執行のその日まで待つこととなっていたが、部屋の電気をつけようとスイッチに触れると蜂が現れ刺されそうになる。
用意されていた料理や椅子には罠が仕掛けられ、スプーンで壁に穴を掘り脱獄を試みるとミンチマシーンが壁に仕込まれており指を切断されてしまう。
異様なその部屋に仕組まれていた罠に、男は「処刑がすで執行中である」ことを確信する。
遂には外界への風景が崩れた壁の先に現れる。
しかしそれを罠だと看破した男は処刑を逃れながら脱獄を企て、穴の先の世界を見据え続けるのであった。
という「死刑執行」と「脱獄」を同空間で同時間帯で起こすというスリルサスペンスです。
高級マンションの一室のような空間のみ、主人公は囚人27号のみ。
とても舞台向きで、音響や光などの演出で充分荒木先生の作風を表現できそうな設定です!
しかし、本公演はそんな期待を上回る仕上がりとなっていました。
本公演の演出、脚本を手掛けるのは長谷川寧さん。
私はこの方は知らないのですが、冨士山アネットという劇団で活動されている方です。
「ダンス的演劇(テアタータンツ)」というダンスメインでほぼ無言の舞台構成が特徴となっているらしいです。
本公演も、原作のストーリをなぞりながらも、最低限のセリフのみで、
あとはすべて躍動的なダンスが主体となっていました。
そう!
荒木節ともいえる独特なセリフ回しはほとんどなく、
現実なのか、心の情景なのか、描かれだされるのは全てかわるがわるダンス!ダンス!ダンス!
正直言いますと・・・
思っていた舞台ではなかった!
そして、
途中までつまらなかった!
だが!
最後まで見て思ったことは、
すごいおもしろかった!!!
何を言っているかわからねーと思うが(ry
いやおもしろかったんですよ!
思っていた舞台でないぶん、その独特な表現方法に戸惑い、
なかなか作品に入り込めなったのはありましたが、
途中から(といっても60分くらい越えてからですが)だんだん嵌ってきまして、
荒木先生の独特の迫りくるスリルサスペンスに、ダンス、音響がシンクしてくんです!
原作には登場しない「赤いドレスの女」が囚人27号(森山未来)を、
そのおおきなドレスのスカート部分で取り込むシーンがあるのですが
(※こうとしか表現できない)、ここがすごい怖いんです!
取り込んだ後に妖しげに踊るんですが、ここが怖いんですー!
囚人27号自身の良心を描いているのか、自身と同じ顔をした何人もの男たちに
攻めれられるクライマックスは、原作とは違う強烈なラストシーンとなっています!
男は永遠に苦しむでしょうか・・・
と、いった感じで、独特な世界観をさらに独特な表現方法で描いた舞台ですので、
ハイパー人を選ぶと思います!
100人中80人位は「よく分からん」といいそう。
でも好きという方は、私同様結構いるんじゃないでしょうか。
ダンス的演劇
新しいジャンルを覚えましたw
死刑執行中脱獄進行中 (集英社文庫 あ 41-54)/集英社

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