大都会からは遠く離れた地方に住んでいる
が、こんな田舎の街にでもそれなりの繁華
街はある。
週末、仕事を終えて色めき賑わう街並みを
横目にクルマを走らせていると、なんの予
定もなくただ家路に就いているだけなのに
この辺りに近づいてくると何故か気持ちが
華やいでくる。
そのせいか、横断歩道を行き交う人々の様
子をフロントガラス越しに視ていると、そ
の表情は皆一様に週末の解放感なのか、穏
やかなように見えてくる。
そんな風景をなんとなく眺めながら
角松敏生氏の歌う『SIBUYA』を車内で聴い
ていると、改めて週末の美しく輝く街にと
てもよく似合うと感じる。
高揚感溢れる曲調に大人を感じる歌詞をの
せたこの曲は発表されてもう二十数年も経
つというのに今聴いてもとても新鮮だ。
『SHIBUYA』はアルバム『Time Tunnel』
に収録されている。
このアルバムには他にも名曲が詰まってい
る上に、
『日産・ステージア』のCM曲としても採用
されていた『Unfogettable』が
シークレットトラックという形で含まれても
おり、非常に満足度の高い一枚となっている。
なので、このアルバムは未だに僕の手元に
あるのは言うまでもない。
今(この歳)になって聴く『SIBUYA』は
目の前の横断歩道を渡っていた若い頃の自
分を思い出させ、
「あの頃はもう、遠くなってしまった・・・」
なんていう想いと懐かしさが僕を包む。
街も人も僕自身もあの頃とは色々と変わっ
てしまったが、この曲を今も新鮮な気持ち
で聴き続けられる感性があることだけは悪
くないなと感じている。