アルバム『POP STATION』の9曲目にある曲。

西寺郷太氏の詩と曲、そしてヴォーカル。

奥田健介氏と富田謙(ゆずる)氏のアコースティックギター。

小松シゲル氏のドラム・・・と、

これらが見事に融合し、美しい音と声にのせて『酸っぱい』と『甘酸っぱい』の間に居る主人公の苦しい胸の内を見事に表現している。


失恋を経験した者であればきっと心に響く(ことによっては心を締め付けてくるような)素晴らしく切ない曲である。


この曲が発売された当時、僕は既に結婚もし、子供もいた頃だったので、失恋などとは遠い生活を送っていたが、聴いた途端、若い頃にある女性と過ごしていた時の様々な情景を脳裏に浮かべていた・・・。


しかしまぁ、この曲との出会いが、その女性と別れてすぐの時であったなら、間違いなく号泣していたに違いない。

『♪三年ほどたてば 駅前に新しいビルが建ち並び 二人通った洋食屋もなくなる予定だから
『♪三年ほどたてば 時がすべてを流し 君と繋いだ手と手の熱さも忘れるだろう 忘れるだろう 忘れるさ』

そんなあの頃に帰りたいとはあまり思ってはいないが、思い返せば、その人と通っていた店はとうに無くなったし、彼女の手の温もりや感触など思い出すことはもう出来ない。


人は忘れる生き物というが・・・



忘れられることで、それぞれ前へ向いて歩いてもいける・・・


僕の『酸っぱい』思い出も、時が経ち『甘酸っぱく』なった・・・


あの頃はお互い

若かったんだ・・・。