最初に遊びと言っておきます。


ASIAN FOREST

先日、雑誌「Foreign Policy」で恒例独裁者番付が発表され、北朝鮮の金正日総書記が見事第一位に選ばれました。一回だけスーダンのバシール大統領にその地位を奪われたことがありましたが、現時点大量虐殺を行っている指導者が現れない限り、金さんのトップは不動のもののようです。

そんなワケで、本日は地区別独裁者番付・アジア大会を開催したいと思います。ま、いろんな考えの方がいるでしょう。彼は独裁者じゃないよ!とか、彼は英雄だ!と考える方も沢山いらっしゃることでしょう。逆に、何で○○がランクインしてないの?って意見もあることでしょう。ま、僕自身心底彼等を糾弾してるわけでもないし、中にはこいつ、カッコいいっ!なんて内心思ってる独裁者もいます。中には「一応」選挙で当選してトップに就任している人もランクされちゃっている反面、どうみても民主的な体制とは思えない国の指導者でも、民主化に向けて積極的に改革している人は入っていなかったりします。要は、僕の独断と偏見によるものです。

それはさておき、この会で言いたいのは、大粒であれ、小粒であれ、独裁者と思われし指導者がいる国は世界の三分の一ぐらいにのぼること。いつもニュースに登場する独裁者ばっかり批判されるけど、その陰に隠れ、目立たない国や、聞いたコトも無い国にも、同じように批判されるべき独裁者が存在し、そいつらによって抑圧されている人々が世界には沢山いることを再認識すると共に、そうは言っても愛国者としてその国ではかなり尊敬されている部分もあることは事実で(強制的ではなく)、世界には多種多様な価値観があるんだな~、と考える機会になればいいな、と思います。

以上を開会の言葉として、スタート!

【東アジア・東南アジア地区決定戦】

★金メダル★ 金正日・北朝鮮総書記 (社会主義政権)
やっぱりダントツでしょう。僕からは何もコメントすることはありません。ただ、すごく頭のいい人だと思います。物騒なコトさえしなければ、世界にこんな国が一つはあっていいかも知れません。

★銀メダル★ タン・シュエ・ミャンマー議長 (軍事政権)
内の声も外の声もことごとく踏み潰し、自らは外部を寄せ付けない「首都」に立てこもり、自己流ルールでドンドン進めてる「民主化」。東南アジアで最も成功した軍政だったインドネシアのスハルト政権をどうやらモデルにしてる感じがします。経済発展がうまくいけば長く続きますが、一族支配に走り、軍に見放された時、スハルトは崩れました。さて、ミャンマーは?!
      
★銅メダル★ フェルナンド・ツォイ・マカオ行政長官 (社会主義政権)
小さいからって、見逃しませんよ♪ ま、通例ならココには胡さんが来る所でしょうけど、仮にも一国家二制度のもと、自由な民主体制が50年保証されているにもかかわらず、反体制的な発言・活動を封じる法律を可決したってことは、自由な体制の自由さを自ら破壊したことになります。これは元々自由を封じてる国よりも罪が重いのではないか?と思います。

(入賞)
第4位:胡錦濤・中国主席 (社会主義政権)
第5位:李顕龍・シンガポール首相 (その他独裁)
第6位:馬英九・台湾総統 (極右民族主義政権)

(参加賞)
ドナルド・ツァン・香港行政長官 (社会主義政権)
ボルキア・ブルネイ国王 (絶対王政)
ナジブ・マレーシア首相 (極右民族主義政権)
ブアソン・ラオス首相 (社会主義政権)


【南アジア・中央アジア地区決定戦】

★金メダル★ カリモフ・ウズベキスタン大統領 (社会主義政権)
ソ連時代から民主化や改革には大反対。ゴルビー失脚クーデターを積極的に支持。たまたま独立したんで、ソ連型体制を維持したまま現在に至る。この人の強権がある意味「中央アジア・スタンダード」となり、その抑圧的体質が過激なイスラム主義との終わり無き紛争を生み出した感があります。

★銀メダル★ カディロフ・チェチェン大統領 (軍事政権)
軍閥の頭領だった親父の七光りで権力を手中にし、ロシア寝返り組を束ねる親玉と化す。二十代の若造がロシアを後ろ盾にし、カネも、武器も、権力も手中にした時、自己中でワガママな大帝国が完成する。国は安定したように見えるが、フセイン政権のイラク並みの統制下にあるようだ。

★銅メダル★ ベルドイムハメドフ・トルクメニスタン大統領 (社会主義政権)
前任者がご健在なら、間違いなく金メダルでした。太陽に向かって回転する黄金の銅像作ったり、自分の著書をコーランと並ぶ聖典だなどと言ったり、その日の気分で金歯をつけるのを全面禁止したりと、結構話題が多い人でした。で、後任に代わってから、多少フツーになってきたのでしょうか?多くの部分まだあの体制が踏襲されているようなのですが。。

(入賞)
第4位:ラフモン・タジキスタン大統領 (社会主義政権)
第5位:アリエフ・アゼルバイジャン大統領 (社会主義政権)

(参加賞)
サルキシャン・アルメニア大統領 (極右民族主義政権)
エルニヤゾフ・カラカルパクスタン議長 (社会主義政権)
タリボフ・ナヒチェワン議長 (社会主義政権)

注:本地区大会では、南アジア地区からはエントリーがありませんでした。珍しく今時点、曲りなりとも民主的な政権ができているようです。が、特にネパールやパキスタンでは、非民主的な勢力が権力を奪取せんと連日虎視眈々と狙っており、引き続き注目する必要があります。


【西アジア・北アフリカ地区決定戦】

★金メダル★ アフマディネジャド・イラン大統領 (イスラム原理主義政権)
一度は体制内での民主化を進めたかに見えたイランですが、結局その芽は彼率いる保守派と呼ばれる強硬な原理主義者に踏み潰され、政権に返り咲いてからは露骨に武力による締め付けを始めています。あと、大衆を扇動するのが上手です。ベネズエラのチャベスさんみたく、この手のリーダーはしぶといです。

★銀メダル★ ネタニヤフ・イスラエル首相 (極右民族主義政権)
最近ではガザ支援船を銃撃・拿捕したことが話題になりましたが、この人は元々アラブ系住民更には近隣アラブ諸国との共存を全く望んではおらず、今後もっときつい政策を始め、多くの血が流れることになると思います。彼がいる限り、和平に近付くことは無いでしょう。

★銅メダル★ ムバラク・エジプト大統領 (軍事政権)
いつもならカダフィさんが入るところですが、最近おとなしいので(笑)。80も過ぎて、まだ権力に居座り、息子にその権力を移譲しようとしてるらしい。フセインや、カダフィが叩かれたのに、彼だけのほほんと好き勝手できたのは、米国に寄っていたから。反共であれば米国が全面支援していた「冷戦の化石」が気が付けばここにもいたわけです。

(入賞)
第4位:カダフィ・リビア大佐 (社会主義政権)
第5位:アサド・シリア大統領 (社会主義政権)
第6位:サレハ・イエメン大統領 (軍事政権)

(参加賞)
サバーハ・クウェート首長 (絶対王政)
ハマド・バーレーン国王 (絶対王政)
ハマド・カタール首長 (絶対王政)
ハリファ・UAE大統領 (絶対王政)
カブース・オマーン国王 (絶対王政)
アブドラ・サウジアラビア国王 (絶対王政)
アブドラ・ヨルダン国王 (絶対王政)
アッバス・パレスチナ議長 (極右民族主義政権)
エロール・北キプロス大統領 (極右民族主義政権)
ベンアリ・チュニジア大統領 (軍事政権)
ブーテフリカ・アルジェリア大統領 (社会主義政権)
モハメド・モロッコ国王 (絶対王政)

では、また来年。