世界各国がどんどんヘンな方向に行ってるような21世紀。
今回取り上げる国は・・・、


ついこないだパレスチナのガザに対して一方的に血の雨を降らしたイスラエル。
その手にこびり付いた血が乾く間も無く総選挙が行われた。


この国ではなぜか党名は現地語のまま呼ばれることが多いので、どの党がどういう考え方を持ってるのかちょっとわかりにくいが、争ったのは次の顔ぶれ。夢も希望も無くなってくるような顔ぶれ。


①リクード党・・・伝統的右翼。党首ネタニヤフ。これまでパレスチナに数多くのユダヤ人入植地を作り、そこに住むアラブ人の家を片っ端から壊して追放する等の政策を積極的にとってきた。


②カディマ・・・元々①の党首だったシャロンが自前で作った政党。現党首リブニ。自称中道派だが、90年代パレスチナ和平の道を塞ぎ、再び戦乱を巻き起こしたシャロン路線なので、実態は穏健右翼。


③わが家イスラエル・・・冷戦後に旧東側諸国から移住してきたユダヤ人が作った極右。党首リーバーマン。パレスチナはおろか、イスラエル国内のアラブ系住民さえも撲滅の対象だと叫ぶ。


④シャス党・・・宗教右翼。ユダヤ教の教義を絶対的価値観とし、2000年前の領土回復を訴える。


⑤労働党・・・古参政党。党首バラク。①に近いタカ派も抱えるが、政策的には最もリベラル。パレスチナ和平に積極的だが、最近人気が急落し、②に歩み寄っている。


そんなわけで、まともに民主的と言える政党は⑤ぐらいしかいない中での戦いだ。
同国は一応制度上は「民主主義」と言われている。
しかし、例えばAという候補が「もしオレが当選したらアラブ人を100人殺す」と公約し、一方Bという候補者が「もしオレが当選したらアラブ人を200人殺す」と公約した場合、選挙やったらBが当選するという国柄。
人々のマインドに民主主義が無いために、多くの場合好戦的な独裁者が当選する。
しかも「民主的」にきちんと政権交代しながら毎回違う独裁者が出てくるからタチが悪い。


もちろん⑤が政権をとった時は一時的ではあるが平和への道も作られようとした。
しかしまるで平和に飽きるかのように人々は強硬路線を選択する。
まるで人々が一生懸命平和をブチ壊す努力をしているかのようだ。


80年代までパレスチナでは土地を奪われたアラブ系によるインティファーダという抵抗運動が起き、それをイスラエル軍が弾圧し、行き場を失ったアラブがテロに走る、という泥沼の悪循環にはまっていた。
しかし90年代に初めてイスラエルとパレスチナが歩み寄り、話し合いが行われた。


ところが当時①の党首だったシャロンがパレスチナへの挑発行為を行ったのをきっかけに、和平協議は全てぶち壊れた。平和に飽きた人々はシャロンを熱狂的に支持。間も無く政権に就いたシャロンはパレスチナに軍を出動させ、80年代の泥沼状態に戻した。


そんな超強硬派のシャロンであったが、ある記事にこんなことが書いてあった。


彼は過激な人物ではない。単なる生粋の軍人で、60年代の中東戦争時代から脳内時計がストップしたままの男である。だから彼の頭の中では戦争が今も続いているから、敵に対しては軍人として徹底的に攻撃する。しかし戦況が良くなれば、和平のテーブルに着く用意はある。


一方で①の現党首ネタニヤフはそうではない。もっと陰湿かつ過激だ。
彼は世の中が和平への道を歩んでいることは知っており、その重要性も理解した上で、あえて確信犯的にそれをブチ壊して戦乱に陥れようと目論んでいるという。
常に国を危機的状況に置いていなければ国が潰れるという恐れが根底にあるからだ。
それは多かれ少なかれ、国民も同じ様に感じており、その不安が右翼支持へと傾いている。


選挙は何とも白黒着き難い結果に終わったが、
時期首相には後者のネタニヤフが就任することになるようだ。


さて、これから一体どうなるの???中東は、世界は・・・。






ま、政治的には大いに疑問を感じるイスラエルだけど、カルチャーは結構好きなLing Mu。イスラエルのポップスは良く聴いてま~す♪
公開始まったイスラエル映画「シリアの花嫁」もちょっと見てみたいね。