医療技術の進歩で
日本人は長生きできるようになった。
治せなかった病気も治る病気になり、
病気の初期段階から
対処できるようになって、
小さな負担で完治できるようにもなった。
しかし、寿命が延びた一方で、
亡くなるまで寝たきりで過ごすことも
珍しくない。
QOLの向上が注目されるようになったのも
医療の発達が原因であると言えるだろう。
生活の質を高めるためには健康が欠かせない。
自分の足で歩き、
自分の口で若いころと同じ食事ができる。
いつまでも
これらの身近な「健康な頃の当たり前」を
続けられることが
幸福感を失わないための近道だと思われる。
そのため、人々の健康への関心は高く、
様々な健康方法が宣伝され、
実践されている。
しかし、
今あなたが取り組んでいるその習慣、
実験の被験者に有益でも、
あなたにとっては
有益でなかったとしたら?
むしろ、余計に体を悪くしていたら?
ということで、
今回の本はこちら。
「 欧米人とはこんなに違った日本人の「体質」 」
この本は内科医である筆者が
様々な研究データを基にして、
日本人の体質に合った
健康法を紹介している。
本書は、
体質とは何かから始まり、
日本人と欧米人の体質の違いが書かれている。
そして、
日本人に効果がない、または逆効果であるにもかかわらず
今まで「体に良い」とされてきた健康法の紹介、
生活習慣病である糖尿病、
高血圧および脂質異常症と
胃がん、大腸がん、
そして乳がんの
従来の誤った予防法と
日本人に合った予防法の紹介がされている。
科学的事実を基にした予防法を
紹介されているため、
この中で気になる生活習慣病があれば、
ぜひ読んで予防に努めていただきたい。
また、遺伝的にこれらの病気にかかりやすいと
あきらめている方も必見である。
遺伝的なハンデがあったとしても、
生活習慣への配慮で
チャラにできる可能性も高いのだという。
![](https://ssl-stat.amebame.com/pub/content/9477400408/amebapick/item/picktag_autoAd_302.jpg)
さらに、本書を読むと意外な事実の
発見があるはずだ。
例えば糖尿病を挙げよう。
これは血の中に含まれる糖質が
濃くなることで
体のあちこちに障害を与える病気である。
この病気を予防する方法として
皆さんは何を考えるだろう。
今までの私と同じく
糖質制限を思いついた方が
たくさんいることだと思う。
しかし、それは必要ではあるが、
本質的な予防法ではない。
本当に摂取を控えるべきなのは
糖質ではなく○○である。
(せっかく読んでいただいたのに、
答えを書けず申し訳ない)
このように、
今まで当たり前だとされていたことが
日本人にも当てはまるとは限らない。
本書は医療に関係する本であるが、
専門用語が多く出る難しいものではなく、
簡単な言葉とイラストを使った
わかりやすい本であった。
![](https://ssl-stat.amebame.com/pub/content/9477400408/amebapick/item/picktag_autoAd_302.jpg)
これを読んで、
日本人にとって
最適な予防法を知ったとともに
日本人の特異な体質を知ることができた。
また、個人の一生の中でも
その体質は生活習慣によって
例えば病気を防げる体質にも
かかりやすい体質にも
あっさりと変わることを知った。
日本は、欧米とは異なり、
外国と地続きになっていない。
そのため、ほかの国の民族の
血が混じることが少なかったために
欧米を含む外国とは違った
体質になったという。
遺伝、気候、そして食事など
いろんなことが原因となって
今の我々の「体質」を
作り上げてきたのだ。
だから、よく被験者としてのデータが集まる
欧米人とは体質は違うし、
その人の体に合うものも
どうしても違ってしまうのだ。
この本は、
健康に興味のある方、
生活習慣病の予防を
あきらめている方、
日本人の体質の特異さを
知りたい方にお勧めの1冊である。