「マイラーフィルム」という紙の種類がある。

 

製図用の紙で、半透明の硬い紙だ。

 

職業柄その用紙を頻繁に使うのだが、これが制作素材としてとても魅力的である。

 

マイラーフィルムってどんなだ

CADで描き、それを印刷し、その図面を正式な記録として法務局に納めるときに使う、官公庁公認の用紙である。

 

会社でこのマイラーに印刷しているのはインクジェットタイプの大きなCAD用プロッタ(プリンター)であり、マイラー自体もトイレットペーパーのように何重にも巻かれたロール状態である。

 

1ロールどれだけの重さがあるか分からないが、とても重い。

交換が非常に大変だ。

 

そして、たとえA4サイズに裁断して家に持ち帰っても、家庭用のプリンターで印刷できるのかはわからない。

 

印刷面はさらさらとした質感だが、裏面はつるつるしている。

きちんと紙送りがされるか、という問題がある。

 

もしそれが問題なく使えるのであれば、個人の楽しみとして活用するのはやぶさかではない。

 

マイラーの使い方を考える

ここにひとつイラストを用意してみた。

自作である。

 

背景をステンドグラス風にしてみた。

透明度は下げていない。ただ緑を数種類塗っただけのものだ。

 

これをマイラーに印刷すると↓

こうなる。

RGBで作っているため、印刷すると色が少し変わった。

RGBとCMYKの違い

 

半透明のため、指が透けて見えるが、少し距離のある後ろのキーボードは見えないレベルである。

 

ファンタジーな弓矢は白色だが、使用プリンタには白インクはない。

マイラー自体の白さである。

 

完全に透明な用紙だと白色は表現されず指どころかキーボードも丸見えだろう。

ステンドグラスの背景はセロハン紙のように見えるかもしれない。

 

 

マイラーフィルムの色の透け具合

「遠くのものは透けず、ぴったりと合わせれば透けて見える」という半透明フィルムの性質を試行錯誤して何かを作りたいという人が存在するかどうかはさておき、
 
各色、どのように透けて見えるのかというのを写真に収めた。
 
当たり前だが「白の部分=インクが散布されていない部分」なので完全に色が透けて見える。
ステンドグラスの緑たちはもとの色が分からない。
 
イラスト下部の細く黒い横線もばっちり透けて見えるが、こちらは5ミリも浮かせると見えなくなる。
 

個人的なマイラーの推し部分

マイラーフィルムという一種の紙に関して、「推し」という概念を持つのはとてもマニアくさいのだが、
「ここがいいよなぁ」と思う部分がある。
 
それは裏面だ。
 
マイラーは裏面がつるつるしていると上記した。
 
マイラーは半透明でおおむね白いが、その白は印刷面にあると思ってほしい。
 
つまり裏面は透明のつるつるである。
 
何が言いたいかというと、表面に印刷されたイラストはマイルドでさらりとしているが、裏にひっくり返すとはっきりした色合いになる。ということだ。
 
(写真ではわかりづらかったので略)
 
きちんと印刷されているな、と表面を見た後、裏返してニヤニヤしてしまうくらいには印象が違う。
 

マイラーはちょっと危ない

少し「痛い」話になるが、紙で指を切ったことがあると思う。
学校でも会社でも、ペーパーレスなんてまだ遠い話である。
 
私の仕事でもCADという製図ソフトで図面のデータを作っているのにもかかわらず、納品は紙だ。
(データも一応納品はしているが)
 
A1サイズの紙を何枚も、時には何十枚もバッサバッサと扱うことが多々ある。
 
 
マイラーは普通のコピー用紙よりかなり硬い。
 
文字で書いても分からないかもしれないが、
普通のコピー用紙を指でつまんで振った音が「ペラペラペラ」だとすれば、
マイラーは「ごっぱごっぱごっぱ」とあきらかに重くてかたい音。
 
そんなものを扱っていると当然怪我の被害がすごい。
 
取り扱いには十分気を付けなければいけない。
 

思ったこと

私だったら、このマイラーで何を作るだろう。
 
レジンで印刷面を強化・コーティングをしてキーホルダーだろうか。
いや、それではさらさらした感触が失われてしまう。
裁断した端を保護して栞にするのがいいだろうか。
 
とりあえず今回作ったイラストの物は、スマホとスマホカバーの間にでも挟んでおこうと思う。