前回の記事で、「作業療法士が作業に興味がない」と書きましたが、これはどういう事なのか私なりの解釈で説明します。
まず、似た職業として理学療法士（PT）という仕事があります。理学療法士は、現在職域が広がりつつありますが基本動作（起き上がり、座る、立つ、歩く）の獲得が主の職業です。そのため、医学的な知識で病気に対する正しい治療法を学ぶ時間が多いように感じます。なので、介入後の変化が分かりやすく勉強もしやすい分野だと思います。1回の介入で変化が分かるため治療者のモチベーション向上も繋がりやすいです！！
でわ、作業療法はどうでしょ。作業療法は哲学が根本にあると思います。「人・環境・作業の分析」「活動・参加」など病気ではなく本人のこれまでの生活歴や趣味、環境、性格など病気ではなく、クライアント（患者様）のニーズを支援する職業です。試しに作業療法士に「作業療法ってなんですか？」と聞いてみてください。「日常生活のリハビリや手のリハビリ」と言う人が多いと思います。私自身も作業療法とは何か未だに模索中です。
作業療法士が作業に興味がないのは哲学的考えであり、効果が分かるまで時間がかかるため効果が分かりやすい機能的な面を重視してしまいます。現在の短い入院期間では効果を感じられないまま退院する患者様も多くいます。
以前OTで「PTみたいなOTになる」と仰っている人がいました。最初は「職域放棄してプライドはないのか」と思いましたが、それも一つの考えなんだと思いました。理学療法士がいない病院では理学療法士のマネができる作業療法士がいた方が病院は嬉しいと思うので、需要と供給のバランスですね！！
次回、患者様を例に作業療法の実践を説明します。