宝塚宙組大劇場公演を観に行きました。



昨年6月の公演では、一昨年の事件の影響か、トップスター芹香斗亜さんのスターオーラが失われたように感じられ、胸がザワザワして心から楽しめなかったことを覚えています。しかし今回はまったく違い、以前の輝きを取り戻したかのような、キラキラとした楽しい舞台でした。これが退団公演になりますが、明るい演目に恵まれて良かったと思います。

ただ、日本物ショーでは2番手の桜木みなとさんが、メイクのせいか驚くほど年老いて見えたのが少し残念でした。

観劇中に、110年演じ続ける俳優(わざおぎ)という設定ゆえの老けメイクだと気づき、納得はしましたが、次期トップスターとしてその美しい顔立ちをもっと活かしてほしかったという思いがあります。

一方で、洋物のお芝居では若々しく溌剌とした桜木さんの姿が見られ、大変眼福でした。瑠風輝さんの女役も今までに見たことのないような異次元の華やかさと存在感で、その迫力は周りを食うほどでしたが、今の時代にはこれもありだと自然に受け入れることができました。新たな魅力開花ですね。

一昨年の事件では加害者として名前が挙がった団員がいましたが、あの出来事はおそらく組織全体の長年続いてきた体質が生み出した問題の一端ではないかと、今では考えるようになりました。

こうした問題はどこの職場にも潜在している可能性があり、今回の件が表面化したのはたまたまだったのかもしれません。

もちろん、遺族や関係者にとっては簡単に割り切れる問題ではなく、許されるべきことでもありません。しかし、残された人々はこれからも前を向いて生きていかなければなりません。

事件の記憶も、時が経てば徐々に風化していくでしょう。それでも、自ら命を絶つという選択がどれほど惜しいことか、どんな形であっても防ぐ方法があったのではないかと強く感じずにはいられません。

亡くなった団員への思いは胸に抱き続けつつ、関係する人々にはこれからの人生を力強く生き抜いてほしいと心から願っています。